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5.縦割り推進でデータの連携がない
省庁間の縦割り行政を打ち破り、真のデジタル・ガバメントを目指してデジタル庁が創設されたように、民間企業においても縦割り型のDX推進は絶対に成功しません。
営業部では保有している顧客リストが、開発部では共有されていないという事態が起こった場合、顧客に対してスピーディなサービス対応ができないのは言うまでもないでしょう。
クラウドサービスを利用した全社統一してアクセスできる共通のシステムを用い、扱うデータを各部署が連携して活用できる事。
それこそが業務をデジタル化する意味であり、そこで初めて業務の効率化や顧客価値の向上は図れるのです。
DX推進は部署ごとに行うミッションではなく、経営層やDX担当部署がリーダーシップを発揮して、事業部間をまたいだ運用が求められます。
6.いきなり成果を求めている
DXというのは企業理念や体質、時には組織構造そのものを変革する必要もある大事業です。
理想的な理念や目的を設定するのは必要ですが、一朝一夕で目に見えた成果が上がるものではありません。
最初から大きな目標や大きな成果を求めてしまうと、足元の課題が見えなくなったり、どこから手を付けて良いか分からなくなることもあります。
まずはスモールステップによるデジタル化を行い、そこから次のステップへと歩みを進める方法で構いません。
Excelの集計作業やデータ入力作業といった、現在人の手で行っている作業をRPA(Robotic Process Automation/ロボットによる定型作業の自動化:仮想知的労働者)を導入して効率化するなど、「小さな事からコツコツと」が結果的にDX推進の成功への近道です。
7.ゴールの見えていない戦略なきDX推進
DX推進の進捗度合いは、俯瞰した目で大局的に判断すべき問題です。
そのためにはゴール設定と、そこに至る「やり方」を明確に全社統一で理解し推し進めることが求められます。
ゴールが見えておらず、戦略なきDX推進では当然ながらうまくいくはずの事もうまくいきません。
明確なゴールとそこに至る方法を書き記した地図=DXジャーニーマップの作成は、そうしたDX推進の迷子状態を回避するのにも役立ちます。
自身でDXジャーニーマップの作成が難しい場合には、コンサルに相談するなどして、まずは自社に適したDX推進の道標を作成するようにしてください。
戦略なき手探りの場当たり的なデジタル化などは、DX推進を失敗へと導く簡単な方法です。
まとめ
中小企業のDX推進において、うまくいかない企業の特徴を7つに絞って紹介しました。
- DXに対する理解が足りない
- 経営陣のコミットメントがない
- 優秀なDX人材がいない
- 失敗を恐れすぎている
- 縦割り推進でデータの連携がない
- いきなり成果を求めている
- ゴールの見えていない戦略なきDX
それぞれの項目は、中小企業の多くが陥りやすい典型的な失敗例です。
文中の対策案や、関連記事なども良く読み込んでいただいて、失敗を避けた効率的な成功への道筋をどうか選びだしてください。