- DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)へ取り組んではいるものの、果たして正しい方向へ進んでいるのだろうか?
- 自社のDX推進は他社と比較してどの程度なのだろう?
- DXは進めているがうまく成果に繋がらない
こうした悩みを抱えた企業は案外多いものです。
DXとは一朝一夕に一筋縄で進められるものではなく、複雑に枝分かれした要素を1つずつ紐解きながらゴールに向かわなければなりません。
そこで今回は、自社のDXに対する取り組みがどの程度正しく進んでいるかを判断するために、21のセルフチェック項目をご紹介します。
簡単な解説を添えるとともに、さらに理解していただく一助として、DXporatl内の参考記事へのリンクも配置しました。
自社のDX推進を見つめ直すきっかけとして、ぜひともご活用ください。
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目次
経産省【DX推進指標】が示す課題
令和元年7月に、経済産業省が「『DX推進指標』とそのガイダンス」の中で発表した「DX推進指標」。
この指標はまさにDX推進をセルフチェックするための指標であり、同時にDX推進の成熟度を6段階で評価するものです。
DXを推進して経営改革が行われた際の効果を測定するためには、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)が使われます。
これは目標達成の度合いを示す数値として使わることの多い数値ですが、「DX推進指標」ではKPIを設定して成熟度を図ることが重要だとしてまとめられました。
中小企業などでは、ただ闇雲にDX推進をお題目のように唱え、現実の経営とそぐわないケースなども多々見られます。
そうした理想と現実の乖離(かいり)を招かないためにも、自社のDX推進を自己評価することが何よりも大切だと、「DX推進指標」は語っているのです。
DX推進度セルフチェック21項目
それでは、自社のDX推進度をセルフチェックするために「DX推進指標」を参考として、よりわかりやすくシンプルな21項目にまとめてご紹介します。
ただし、このチェック項目は自社のDX推進を客観的に見直すきっかけづくりのための、あくまでも簡易的なセルフチェックシートです。
実際のDX推進をチェックしたい場合は、第三者の目を含めた多岐にわたる専門的なチェクが必要となります。
経産省の奨めるDX成熟度をチェックしてみたい場合は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運営する「DX推進指標自己診断結果入力サイト」なども参考にしてみてください。
経営のあり方・仕組み編
1.DXビジョンが描かれているか
DX推進を考える上では、まず明確なゴールをイメージできているかという事が大切です。
自社の経営ビジョンと照らし合わせ、ユーザー視点で見てDXでどのような価値を生み出すのか、ビジョンを明確にすることが求められます。
2.経営トップのコミットメントがあるか
企業の大小に関わらず、DXを円滑に業務に取り入れて推し進めていくためには、経営者や経営陣が「DXを使って自社の事業を変革させる」という意思が必要となります。
全社的な意思統一を図ったり、スピーディなPDCAを回すためにも、まず経営トップのコミットメントこそ求められるのです。
3.経営トップのコミットメントが全社共有できているか
経営トップだけがコミットメントしたところで、DX推進はうまくいきません。
DX推進担当者や現場リーダー、全社の従業員、さらに言えば取引先、金融機関、投資家などステークホルダーまで含めた共有が出来ていることが、スムーズなDX推進の鍵です。
4.関係者のマインドセットが出来ているか
DX推進を実際に担当する部署や担当者の役割が、しっかりとマインドセットされているか。
こうした事を明確化し、他部署との協力体制を取れなければ、うまく進められるものも進みません。
ベンダー企業をはじめとした社外協力スタッフとの連携も重要です。
5.DX推進部署・担当者は設定しているか
DX推進は社内で最も重要なミッションとなり、他の仕事の片手間に行える作業ではありません。
規模の大小は問いませんが、DX推進を専門に行う部署や担当者を設置することが、DX推進を成功に導くためには不可欠です。
6.DX人材の確保・育成は出来ているか
といあえずDX部署は作った。担当者も配置した。これだけでは準備が整ったとは言えません。
その担当者がDXを真に理解した人材であるか、または理解するよう育成する体制が出来ているかもチェックする必要があります。
7.DX人材が事業ニーズを理解しているか
DXに携わる人材は単に業務のデジタル化やIT技術の活用を理解しているだけでは務まりません。
自社の経営ビジョンや求められる課題、事業ニーズを理解していることがDX人材の最低条件となります。
8.DX人材はIT活用に精通しているか
様々なIT技術を駆使して業務を効率化し、さらにはデータの有効活用などで新たな事業ニーズやビジネスチャンスを創出するDX。
そのためには担当者はやはりIT活用に精通している必要があります。
IT活用のプロを社内人材だけでまかないきれない場合は、教育も含めた外部スタッフとの連携も視野に入れましょう。
9.戦略とロードマップが描けているか
先にも述べたとおりDX推進には明確なゴール設定が必要です。
そこに至るまでの道筋は、他の業務と同様綿密な計画性が求められます。
自社に新たな価値をもたらすDXのゴールまでの戦略とロードマップをしっかりと描くことも、DXを進める上での大切な考え方です。
10.マーケティングデータを取得しているか
個人事業主などどんなに小さな組織であっても、ビジネスを成功させるためには自社の商品やサービスのマーケティングを行う必要があります。
そのデータをしっかりと取得していなければ、DXを進めるための入り口にも立つことはできません。
11.マーケティングデータが活用されているか
しっかりと取得したマーケティングデータ。これをデジタルの力によって活用し、はじめてDXの歯車は回り始めます。
IT技術とデータ活用がDXの肝と考えて、マーケティングデータの有効活用行ってください。
12.デジタルサービスへの投資は十分か
自社のオリジナルシステムを開発せず、様々な既存のソフトやサービスを有効活用してもシステムは構築できます。
しかし、すべてを無料サービスで済ませようと考えたり、出来る限り安い投資で済ませたいと考えたりでは、DX推進はままなりません。
デジタルサービスへの投資が必要十分に行われているかどうかも重要なチェックポイントです。
13.意思決定・開発スピードが早いか
DXを推進するにはスピードが命。小さなPDCAを迅速に回し、アジャイル開発を進める事で、時代の変化に負けない強い企業を創り出していく事ができます。
そのためにもDX推進部署を設立し、他部署との連携を取り、なおかつ経営トップのDXへのコミットメントができていれば、自ずと意思決定や開発スピードは早くなるはずです。
【関連動画】
【DXにおけるアジャイル開発】
前編:今求められいる理由とは?
後編:メリット・デメリットと成功の鍵
ITシステム構築編
14.データのリアルタイム活用は出来ているか
マーケティングデータをはじめとする各種の取得したデータ。これをただ蓄積するだけではDXは前に進みません。
取得したデータをリアルタイムで、さらには必要な形で活用することが出来るシステムが構築されているかは、大切なチェックポイントです。
15.変化に対するスピード・アジリティは十分か
DX後進国と言われる日本ですが、企業のデジタル産業化は待ったなしです。
そうした目まぐるしく変化するデジタル社会に素早く対応するために、システムの変更や機能追加などがスピーディに行われなければ、環境変化に着いていくことは出来ないでしょう。
16.データが全社で最適化して活用できる状態か
取得したデータをデジタル化し蓄積しても、それをDX推進部署だけが使える状態では何の意味もありません。
システムとデータが部門を越えて利用できる状態にあってこそ、はじめてDX化は価値を生み出します。
17.既存システムのリスク・能力評価は出来ているか
新たにITシステムを構築する場合でも、それまでにあった既存のシステムが持っていたリスクや能力について、適切な評価が出来ていなければ、新たなシステムも同じパラドックスに陥ってしまう可能性が考えられます。
まずは課題を抽出し、それを解決する手段を模索することがDXの第一歩です。
18.システム分析・評価結果を作成している
IT資産管理台帳やシステムリスク管理台帳。
そうしたシステムを分析・評価した結果を記録し、既存のIT資産の全体像とつかみ、課題の抽出作業を行った上で、新たなシステムとの比較・検討を行いながら構築作業を実施することが求められます。
19.内製化のための人材確保は出来ているか
自社にITに精通した人材がいない場合でも、システム構築は総てをベンダー企業等への丸投げでは成立しません。
最低限の事は自社内で理解できるITスタッフを採用・育成しすることは、ITシステムの構築を内製化していくためにも必要です。
20.ベンダーとの連携は取れているか
すべてのシステム構築を内製化するという事は、理想のように見えて場合によってはかえって効率の悪いものです。
ベンダー企業との二人三脚の連携が取れている事もシステム構築のためには重要で、そのためのベンダー選びや意見交換は欠かせません。
【関連記事】
【DX推進の実行戦略①】ベンダー企業との付き合い方
21.システム構築の取組状況は可視化されているか
自社の経営状態を把握するためには、携わっている業務の進捗状況をひと目で分かるように管理することが重要です。
それと同様に、ITシステム構築への取組も進捗状況を可視化して管理することが求められます。
例えば「DX推進指標」では、DX人材やシステムへの投資額、データ鮮度、サービス改善の頻度やリードタイムなどがあげられています。
第三者の視点でチェックから実行へ
自社のDX推進をセルフチェックするための21項目をご紹介しました。
経済産業省の「DX推進指標」と合わせて活用していただくことで、自社の進捗状況を簡単に見つめ直すことが出来るはずです。
しかし、ここであげたチェック項目は、あくまでも簡易なものでしか無く、またセルフチェックにはどうしても限界もあります。
より正確な進捗状況を知りたい場合などは、やはりDXコンサルタントなど第三者の視点でチェックするのが一番です。
より的確に、よりスピーディに自社のDX化を推し進めるためにも、ぜひとも外部のベンダー企業やコンサル企業の力をうまく使うという選択肢も視野に入れてみてください。