企業のプロモーション活動を考える上で避けては通れない「広告運用」。
ユーザーの購買意欲を高めるため、何らかの形で自社の商品やサービスを露出させ、より積極的なマーケット開拓を行うことは、現代の企業活動においては欠かせない施策といえます。
しかし、広告と聞くと「広範囲に情報をばらまくばかりで、費用ばかりかかって効果が保証されない」と感じる企業経営者も多いのではないでしょうか。
そうした従来型の広告とは異なり、ターゲットを絞ってピンポイントで訴求できる広告手法がインターネット広告です。
この記事を通じて、そんなインターネット広告特有のメリットを見つめ直し、自社の営業戦略に広告というマーケティングを取り入れるきっかけとしてください。
目次
企業マーケティングを支えるインターネット広告
そもそもインターネット広告とは、インターネット上(PC、モバイル等をすべて含む)に展開される広告全般のことをいい、2019年には広告業界の雄であったテレビCMの規模を上回る市場規模へと成長しています。
日本の広告費全体の推移を見ると、2020年は新型コロナウイルスの爆発的流行により日本経済も大ダメージを負い、市場規模自体が大幅ダウンとなりました。
そんな中、在宅ワークや巣ごもり需要の拡大もあり、インターネット広告だけは2020年も引き続き市場規模拡大を遂げています。
インターネット広告の大きな特徴として、ユーザーごとに届ける広告を変えられる「ターゲティング性」と、ユーザーがクリックなどの行動を返すことで反応する「インタラクティブ性」があります。
これは、テレビなどの「不特定多数のユーザーに拡散的に届ける情報」ではなく、「必要とされるであろうユーザーのもとにピンポイントで届けられる情報」ということであり、同時にユーザー自身が能動的にその情報を受け取ることで、より成約率の高い広告効果が期待できるということでもあります。
これが「費用対効果の高い広告手法」と考えられる大きな要因でもあり、今や企業のマーケティングを考える上でインターネット広告は欠かせないという論拠でもあるのです。
ネット広告の種類
インターネット広告には、大きく分けて次の9つの手法が存在し、それぞれの特徴を捉えて運用することが成功への近道となります。
ここではその特徴を簡単にご紹介いたしますので、全体像を捉える一助としてください。
1.リスティング広告
ネット広告の代表格で、Googleなどの検索エンジンでユーザーが何らかのキーワードを検索した時、画面の上部に「広告」というアイコンが付いて表示され、ユーザーがクリックするごとに課金されるクリック型広告です。
検索履歴に基づくユーザーの年齢・性別・地域など、ターゲットを絞った表示が可能で、効果が出るまで時間のかかるSEO(検索エンジン最適化)を気にすることなく即効性が期待できます。
2.純広告
Yahoo!などの画面に表示される、バナーやテキスト形式の広告です。
サイト内で決められた枠を一定期間買取り、そこに広告を出向するという形で運用されます。
3.アドネットワーク
複数サイトの掲載面に広告を掲載する手法で、効果があると考えられる複数のサイトをパッケージ化して広告主に販売される形式です。
専門のアドネットワーク業者が持つ媒体に一様に出稿されます。
4.DSP
アドテクノロジーの浸透により生まれた広告手法で、広告主が届けたいユーザーに対して広告表示する際、広告枠を入札によって獲得すれば表示できるというシステムで、そのプラットフォームをDSP(Demand-Side Platform)と呼びます。
5.アフィリエイト広告
成果報酬型広告のことをアフィリエイト広告と呼び、広告を通して商品やサービスへのアクション(登録や購買など)が行われた時だけ報酬が発生するシステムです。
主にはアフィリエイターと呼ばれる媒体管理者が、他社の商品やサービスを自身の媒体で代わりに宣伝を担当します。
6.ネイティブ広告
SNSやニュースサイトなどで、他の記事やフィードに混ざって表示される形式の記事広告。
見るからに広告という体裁をしていないため、ユーザーには自然に受け入れられやすいのが特徴ですが、「広告」の表示は必須です。
7.SNS広告
TwitterやInstagram、FacebookなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のタイムライン上などに表示される広告手法。
印象に残る画像やコンテンツを用いてユーザーの興味・関心を集め、ユーザー自身による拡散を狙うという特徴があります。
8.動画広告
映像や音声をともなう動画ファイル形式の広告。
YouTubeや動画配信サービスなどの動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム手法と、Web上の広告枠や記事コンテンツ面などに表示されるアウトストリーム手法に分けられます。
8.メール広告
ユーザーの嗜好に基づいて直接広告メールを送ったり、メールマガジンのヘッダーやフッターに広告文を掲載したりする電子メールを使った広告手法です。
9.DXで取り組みやすいリスティング広告
これら多くの広告手法の中でも、リスティング広告は比較的取り組みやすく効果の高い手段といえるでしょう。
もちろん、すべての企業にふさわしい手法であると言い切れる訳ではありませんが、リスティング広告は実施と効果測定が比較的容易で、ここを足がかりにDX推進の大きな柱としていくことができます。
リスティング広告では、「想定されるユーザーに、最適な広告を届ける」というインターネット広告特有のターゲティング性も存分に活かすことができるため、より効果的な広告運用が期待できるのです。
しかし、そのためには検索サイト最大手であるGoogleの意向を読み解く必要があります。
Googleはサードパーティクッキーを廃止、FLoCでユーザー嗜好の分析へ
自身のパソコンでインターネットを開くと、「気になっている企業の広告が挿入されてますます気になってしまう」といった経験をお持ちの方は多いと思います。
これは、検索エンジンのGoogle上でサードパーティクッキーと呼ばれるシステムが機能しているためで、ユーザーがかつて検索した履歴を分析し、その嗜好に合わせてもっとも興味を引くであろうジャンルの広告が表示されるようになっているからです。
しかし、このシステムはプライバシー保護の問題から世間の反発も多く、Googleでは「Webをユーザーにとってよりプライベートで安全なものにする」という観点から、2022年までの全面廃止を決定しました。
これにより企業サイドとしては、適切な広告をユーザーに届けるターゲティング性が失われるのではないかとの懸念が生じます。
現在、Googleではそれに代わって「FloC(フロック)」と呼ばれる、ユーザー嗜好を分析するAI(人工知能)の稼働を始めました。
このシステムではユーザーを個人として特定するのではなく、ネットの閲覧履歴をもとに、嗜好が似たChromeユーザーからなる群(コホート)にまとめ、コホートIDを読み取ることで興味や嗜好に合わせた広告を配信するといわれています。
サードパーティクッキーと違って閲覧履歴は他のユーザーと共有されず、広告事業者が直接個人のIDを特定することはできないため、プライバシー保護は強化できるというものです。
しかし、これも米電子フロンティア財団(EFF)からは「恐ろしいアイデア」と酷評されるなど、プライバシー保護団体からの批判の声は強く、今後どうなっていくかは未知数といえるでしょう。
企業が広告主となる場合で考えると、ユーザー情報を得て直接的なアプローチをかけられるGoogleのシステムはありがたいものですが、ユーザーの立場になれば不安や不満が大きいというものまた事実です。
こうした情勢を読み取り、柔軟な体制で対応することも、リスティング広告を始めとしたインターネット広告を運用するための大切な考え方だといえるでしょう。
企業が取り組むインターネット広告をバックアップ
これまでの広告業界で主流であったテレビや新聞広告と比べれば、よりピンポイントでターゲティング化した広告運用ができる分、費用対効果の高いのがインターネット広告の特徴です。
しかし、その特徴を最大限に生かすためには、適切な運用方法を理解して行うことと、効果測定をしっかりと行うことが肝要です。
こうした一連の流れを、一企業がすべて自社で管理するのはやはり難しく、それが可能な人材や部署を確保することはよほどの大手企業でもなければ難しいでしょう。
株式会社MUが提供する【経営診断 軍師システム】では、インターネット広告をホームページやECサイトと絡めた集客システムの一環としてご提案します。
さらに、その効果測定を的確に行うことにより、企業様の広告運用のみならず、業務改善の足がかりとなるIT戦略の立案をお手伝いします。
まとめ
DX推進を考える際に、現代の企業が考えなければいけないマーケティング戦略の一環として、インターネット広告の有用性とその概要について解説しました。
「届けたいところに届けたいものを」が肝要である企業マーケティングにおいて、ターゲティング性にすぐれたインターネット広告は、もはやマストなブランディング戦略であると考えられます。
しかし、企業価値を高めて新たなビジネスを創出するDXにおいて重要なインターネット広告の運用と効果測定は、一般企業が自社で対応するのが難しい分野でもあります。
【経営診断 軍師システム】を提供する株式会社MUは、Webを利用したプロモーション活動のプロフェッショナルとして、数多くの企業様をサポートしています。
ぜひ一度お問合せいただき、自社のマーケティング戦略を考える判断材料の1つとしてください。