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仮想通貨がもたらす現実と未来
現在、日本を含めた先進国では通貨をデジタル化する動きがあるため、企業側も早急な対応が求められています。DX推進策としても、今のうちにデジタル通貨に対応できるシステム構築に取り組むことは必須です。
今後、仮想通貨がさらに市民権を得ていった場合、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。
法定通貨が仮想通貨に変貌する
2021年、中米のエルサルバドルがビットコインを法定通貨化したことが大きな話題を呼びました。
エルサルバドルは過去に自国通貨である「コロン」を放棄して、米ドルを法定通貨として採用しました。現在は、両方が法定通貨になったため、一国が米ドルとビットコイン2つの法定通貨を保有する状況になっています。
この動きにIMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)は通貨の不安定性を懸念し、仮想通貨を法定通貨として利用することに警鐘を鳴らす論文を発表しました。
しかし、ドルやユーロなど法定通貨の変動に応じて価格が変動する「ステーブルコイン」の活用により、価格の変動が激しく不安定と言われてきた仮想通貨のリスクは抑えられるとの指摘もあり、今のところ結論は出ていません。
もし仮に、エルサルバドルが行った仮想通貨の法定通貨化が成功した場合、同様の取り組みを行う国家が増えていく可能性もあり、世界中の注目を集めています。
日本でも既にはじまっている仮想通貨決済
海外の多くの企業が、仮想通貨決済サービスをスタートしていますが、日本国内においても仮想通貨を取り扱っている企業が増えています。
家電量販店のビックカメラは、2017年にビットコインでの決済手段を採用し、ポイントの付与率も現金と同等とするなど、いち早く取り組みを始めています。
他にもDMM.com、メガネスーパー、湘南美容クリニック、H.I.Sなどもビットコイン決済を採用しており、仮想通貨の信頼性が高まればより多くの企業が採用していくでしょう。
さらに、仮想通貨は世界中で大きな注目を集めている 仮想空間「メタバース」内における決済通貨として重要な役割を担っています。デジタル技術の先を見据えた企業の多くが、メタバースへの参入を進めている事もあり、日本国内での注目も再び高まっています。
仮想通貨に残された課題
将来の「新たなる通貨」としての役割が期待される仮想通貨ですが、本格的な実用に向けてはまだ技術的・法的な課題が残されています。
- マネーロンダリング : 犯罪等によって不正に得た資金の洗浄に利用される
- スケーラビリティ:普及に伴う、データ量の増加に処理スピードが追いつかない
- クリーンエネルギー:マイニングによる電力消費が環境負荷を与える
- サイバー攻撃 :多額の資金を狙ったハッキングや身代金ウイルス攻撃
- グローバルな法的規制:(例)中国は仮想通貨の使用を全面禁止、使用者は刑事責任に
とはいえ、新しい技術が普及するまでには、さまざな障壁が付き物です。技術的な課題が乗り越えられるのは時間の問題と考えられており、また仮想通貨の利便性や実用性が広く知れ渡れば、技術進歩と共に法的な課題の解決も進むでしょう。
まとめ:仮想通貨はDXを推進するための重要なアイテム
仮想通貨の基礎知識から現状、そして仮想通貨がもたらす未来について解説しました。
日本国内における仮想通貨は、今のところ普及率が高いとは言えない状況です。その理由の1つとして、「リスクが高い投資」のようなイメージが先行しているということが挙げられます。
しかし、仮想通貨は単なる投資向けの通貨ではなく、DXの根幹となるブロックチェーンの技術を活用した通貨です。
グローバルに見ると仮想通貨は、既存のデジタル産業からの脱却を図る企業にとって重要なパズルのピースとして認識されていますです。
日本の中小企業においても、国際社会での競争力強化のためにも、仮想通貨の活用をDX戦略に組み込むことを検討してみてください。