正社員はどこに消えた?株式会社RYOMAが考える採用課題の解決策

正社員はどこに消えた?株式会社RYOMAが考える採用課題の解決策

転職できる人材と人を採れる企業

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今の世の中で『しっかりと転職できる人材』の条件には、どのようなものがあるのでしょうか。

阿阪氏

「なによりも『変化に柔軟に対応できる人材』かと思います。特に情報収集の力は大切です。毎日の繰り返しが当たり前になっていて、情報の変化に対して敏感でない人が新しいことをインプットして成長していくのは難しいでしょう。

また、逆に先ほど少しお話しした少し傲慢な求職者のなかには、頭でっかちになっている人もいます。ちょっとネットで調べた情報の真偽を自分で確かめたり、大本の問題を考えたりせずに、ただ闇雲に鵜呑みにしているタイプですね。技術論だけ知っていて、実践が伴わないタイプとでも言いましょうか。

どちらのタイプにしても、自分が今現在どの立ち位置にいて、足りない部分はどこなのかなど、分かっていないのが転職においては大きな問題となります。

こうしたことが分かっている人であれば、足りない部分を補う『正しい努力』を積み重ねることができますので、仮に現状では多少能力が足りていなかったとしても、望む結果をつかむ方向に進み、実際に活躍していけるでしょう。」

情報をしっかりと取りにいき、その情報を精査して、自分の望む未来に進める位置に自分を持っていけるのが、転職を成功できる人材の条件なのでしょう。では、この問いを企業側に当てはめてみるとどうでしょうか。

阿阪氏

「企業側もまるっきり同じですね。やはり自社の現状をしっかりと理解したうえで、自社がなりたい姿をイメージできている、というのがポイントです。

必要な人材を採用できていない現状を認識した上で、2~3年後にはこのような会社になりたい。そのためのコストはどれだけかかるのか、どれだけの時間をかけなければならないのか。あるいは、会社の人事ポリシーの見直しは必要かなど、そうしたことをすべて分析して、それを理解して、そこに対して努力できることが何よりも重要です。

一番危険だなと思うのが、最近流行りだからと言ってTikTokなどの運用を安易に依頼して、コンサル料だけ支払ってなんの成果も挙げられないといったケースですね。こうしたケースは、情報は取りに行ってはいるものの、正確に認識ができていない状態を表しているといえるでしょう。

逆になんの情報も取れず、採用に関してもしっかりとしたポリシーを持たないまま、『とりあえず2~3人新しい人が欲しい』というような姿勢の企業も、採用活動が失敗しやすいケースですね。

最終的に自社が目指す状態になるためには、どんな手法があって、それに対してどれだけのコストがかかって、それをすればどうなるのか。こうしたことをしっかりと認識している企業は、採用活動もうまくいっていると思います。」

働き方が多様化する時代の正社員とは

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現在は、フリーランスなどが増えたこともあり、正社員を希望する労働者の割合が減っていると言われています。同時に、企業側にとっても、終身雇用を前提とした従来型の採用よりも、その時々のニーズに合わせて外部人材を効果的に登用することのメリットも広く認知されています。

そんな時代にあって、あえて正社員を目指す、採用するということにはどのような意味があるのでしょうか。

阿阪氏

「これも求職者側、企業側の両面があると思います。まず企業側からいえば、弊社では『正社員=資本』だと考えています。つまり、投資対象ですね。雇用が流動化しているとはいえ、正社員は比較的辞める確率が低い傾向があります。裏を返せば、解雇も簡単ではありません。そういう雇用関係である以上、投資対象と考えて、『(能力が)伸びるかどうかは確証はないけど、伸びたら将来的に会社の資産になってくれる存在』と捉えています。

逆に、フリーランスなどの業務委託の場合は、『資源』と捉えたほうが良いかなと思います。『この仕事ができるのであれば、それに対してお金を払います』という契約なので、言わば『その能力を買わせてください』という、資源というか原価に近い考え方になるでしょうか。

そこが、将来的に会社に長く残り、活躍してもらう可能性のある正社員とは大きな違いですね。

一方、求職者側が正社員で入ることのメリットは、『お金をもらって学べる』環境があるかと思います。ですので、これまでやったことのない業務や今後伸ばしたい能力など、未体験のことをやってみて成長する場としては、正社員は最適でしょう。

逆にとにかくお金を稼ぎたいのであれば、業務委託で報酬の交渉をしたほうが良いでしょうね。」

金額の大小に関わらず、働く場合には何らかの報酬が発生します。正社員と業務委託では報酬額も大きく変わりますが、求職者が働き方にふさわしい金額を得たいというのは当然です。また、企業側にとっても正社員と業務委託それぞれにどの程度のお金をかけるのかといった、金銭的問題は十全に考えなければならない問題でしょう。

そんな中、『お金が稼げる』あるいは『自由な働き方ができる』ということを求めて、フリーランスを目指す人は増えています。この傾向は、今後も続いていくのでしょうか。

阿阪氏

「『よりお金を稼ぎたい』という理由で、業務委託的な働き方をする人は今後も増えると思います。けれど、収入を増やすということは、企業の正社員として働きながらでもできるという考え方もあるのではないでしょうか。

具体的には、副業制度の広がりなどですね。弊社の中にも副業をしているメンバーはいるかと思いますが、私は身につけたスキルを使ってたくさんの会社に貢献していくという状態が一番理想ではないかと思っています。

そういった意味では、正社員が減るというよりも、スキルをかけ合わせた『二足のわらじ』を選ぶキャリアの作り方が増えていくのではと考えています。」

正社員とフリーランスの二極ではなく、ダブルワーク、トリプルワークまで含めた多様化こそが、現代の働き方のあり方なのでしょう。

人材採用に本気な企業を増やしたい

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最後に、人材採用のプロフェッショナルである株式会社RYOMAの代表である阿阪氏に、優秀な人材を採用したいと考える企業へのメッセージを伺ってみました。

阿阪氏

「弊社が採用支援をする時にお伝えしていることですが、とにかく『ペルソナ』という、採用したい人物像の具体的なストーリーを想像してください。

その人がどういう大学を、どのような選択基準で選んだのか。ぜその部活に入ったのか、あるいは入らなかったのか。そこからなぜある会社に新卒で入社したのか。その会社は大手なのかベンチャーなのか。そういったその人の人生ストーリーを全部考えて、その架空の人物に対して、自社の良さ、自社で働くとあなたはこうなれるよ、というストーリーを全部作って打ち出す考え方が重要です。

その家庭の中では、自社の社風や社長の考え方などを前面に出して、企業を求職者に対してブランディングしていくことも求められます。そのお手伝いを、弊社が協力して作り上げていきたいと考えています。

その結果として、採用に対して本気の会社が増えてくればいいな、と思います。今の世の中的に『転職者が多い』とか『なぜ辞めてしまうのか』というような、求職者だけにフォーカスしたニュースの打ち出し方が増えている気がします。

けれども、そもそもすぐに転職してしまうような事態が起こってしまったこと。つまりは、就職の段階でミスマッチが起きてしまったことについて、私は企業側に責任があると思っているのです。企業側がちゃんと良い採用をすることができれば、職場とのミスマッチが原因で転職を選ぶ人は減るはずです。

ですので、企業の採用能力を上げたいのです。そのためには、企業の代表者が一番に変わらなければならないでしょう。代表者がしっかりとした想いを持って採用活動に対応することが、最も求められるのではないでしょうか。

企業側が採用に対して、もっと本気で考えることが増えていけば、求職者側もより良いキャリアを求めることができますので、より良い世の中になっていくはずです。採用に本気じゃない企業は淘汰される時代が来るとも思います。なので、私たちが本気の企業を増やすお手伝いをしていきたいですね。弊社のサービスも、そこに向けてよりアップデートしていきたいと思っています。」

取材を終えて

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人材採用のプロフェッショナル企業:株式会社RYOMA。その代表を務める阿阪社長のお話は、実に理路整然としており、現代の転職市場が抱える問題を解説してくれました。その上で、デジタルを活用しながら、デジタルに依存しない「人の感情」をベースにした採用サポートの取り組みこそが、同社の躍進を支える原動力になっているのでしょう。

「ともに、〇〇な未来へ。」という同社のビジョン通り、一人勝ちするだけでなく、求職者とクライアント企業と共に、より未来へと階段を駆け上がっていきたい。そんな夢を語ってくださった阿阪社長の目は、どんな大きな未来を見据えているのか。株式会社RYOMAの今後の活躍からはますます目が離せません。

(DXportal®編集長:町田英伸)

株式会社RYOMA

会社名:株式会社RYOMA

所在地:(東京支社)東京都港区虎ノ門4丁目1-1 神谷町トラストタワー23F

代表取締役:阿阪滉貴

主な事業内容:キャリア支援事業、採用プランニング事業、メディア事業

ホームページ:https://ryo-ma.art/

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この記事の執筆者

DXportal編集長

町田 英伸

自営での店舗運営を含め26年間の飲食業界にてマネージャー職を歴任後、Webライターとして独立。現在はIT系を中心に各種メディアで執筆の傍ら、飲食店のDX導入に関してのアドバイザーとしても活動中。愛車で行くソロキャンプが目下の趣味。

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町田 英伸

自営での店舗運営を含め26年間の飲食業界にてマネージャー職を歴任後、Webライターとして独立。現在はIT系を中心に各種メディアで執筆の傍ら、飲食店のDX導入に関してのアドバイザーとしても活動中。愛車で行くソロキャンプが目下の趣味。

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