【DX推進で生き残れ②】小売店のDXはOMOに注目すべし【前編】

【DX推進で生き残れ②】小売店のDXはOMOに注目すべし【前編】

OMOがもたらす小売店DXの未来

小売店のマーケティングにOMOを導入すると、顧客の利便性は飛躍的に高まります。

スマートフォンとインターネット環境さえあれば、場所と時間にとらわれずに、気軽に買い物ができるようになります。

今までのネットショッピングと異なり、オンラインとオフラインが融合したOMOにおいては、顧客は自分のニーズに合わせてサービスの受け取り方を選択できるようになるのです。

例えば、スマホで店舗の在庫状況をチェックし購入してから、空いた時間に店舗に受け取りに行く仕組みなどが挙げられます。

OMOの導入により、顧客はオンラインで買い物を済ませ、自分のタイミングでオフラインで受け取ることが可能になるのです。

また、スマートフォンで店頭の商品を読み込むことで、レジを通らずにオンラインで会計が済ませられる仕組みの導入などもOMOの一例です。

OMOは、オンラインとオフラインがユーザー体験としてシームレスに融合しているのが最大の特徴であり、これによって顧客体験を向上させることが可能になります。

最近、飲食店で導入されている、来店客が店員と対面せず、QRコードなどを読み取った上で自身のスマートフォンでオーダーをすることができるシステムなども、OMOの考え方に沿ったサービスといえます。

これは、その概念自体の認知度はまだ低くとも、OMOが一般の人々の生活にも徐々に浸透しつつあることを示す好例と言えるでしょう。

OMOの導入は、消費者だけでなく、小売店にとっても大きなメリットがあります。端的に言えば、OMOによって新たなビジネスチャンスを得ることができるのです。具体的には次のような点が挙げられます。

顧客の囲い込みと商品への付加価値を付与

消費者が重点を置くポイントが「モノからコト」へと変化し、商品そのものの価値よりも、商品と同時に手に入る体験やストーリーが重要視されるようになった現代。小売店も消費トレンドを押さえた販売戦略を立てる必要に迫られています。

いくら店頭に並んだ商品を割引しても、インターネットで最安値を探すことは容易です。また、購入時のポイント付与などはすでに「当たり前」になっており、このような戦略だけでは消費者の購買意欲を刺激することが難しくなってきています。

小売店としても、果てない価格競争やポイントキャンペーンの乱発は避けたいところでしょう。

むしろ商品を購入した消費者に対して、本当にメリットのある顧客体験を提供すること、つまり商品に付加価値を付与することができれば、事業者や商品に対する信頼を獲得し、リピートしてくれる顧客(=商品・ブランドのファン)を獲得することへ繋がります。

OMOによって商品だけではなく、新しい顧客体験や商品にまつわるストーリーを提供することこそ、商品に付加価値を付与することに繋がるのです。

顧客データの取得と分析

顧客データの取得と分析

OMOに取り組むことで得られる最大のメリットの1つは、Webサイトと実店舗の両方で大量の顧客データを取得・蓄積できることです。

一見すると、オムニチャネルでも同様のデータを取得することは可能なように思えますが、OMOの場合は『オンラインの顧客需要』『オフラインの顧客需要』を区別しません。

むしろ、OMOの考え方の大前提は、顧客がこの2つの境界線の存在を意識することなく、その場その場でどちらも自由に利用可能な状況を目指すという事に重点を置いています。

そのため、同じデータを取得・蓄積するにしても、商品の購入からアフターフォローまで、オンライン/オフラインを区別せずより良い顧客体験を提供する『顧客視点での戦略』が重視され、そのためのデータ活用が前提となっているのです。

蓄積したデータをもとに顧客のWebサイト閲覧履歴や店舗での購入履歴を横断的に分析することで、商品販売や商品開発の際の重要な手がかりを得ることができます。

また、収集したデータをオンライン上の顧客データとして一元管理する事によって、それぞれの顧客にニーズにあったサービスを提供することが可能になり、さらなる顧客体験の充実へと繋がります。

ビッグデータアナリティクスに代表される、データの有効活用はDXの大きなポイント

オンラインとオフラインの境目なくデータが収集できるOMOは、まさに小売店DXに最適なマーケティング手法となります。

サービス・プロダクトの改善

繰り返しになりますが、OMOでは常に顧客視点を重要視したマーケティング手法を取ります。

顧客に関するデータを取得し、「どのような情報・商品を提供すれば顧客が満足できるのか」を考え、顧客に合わせてパーソナライズされた情報提供の最適解を導き出すことができるのです。

OMOマーケティングでデータ収集をするからこそ、サービス・プロダクト(商品提供)の改善が図れ、より顧客満足度の高い商品開発やサービス提供を目指すことができます。

まとめ

【DX推進で生き残れ】企画の第2弾として、現在の小売店を取り巻く様々な諸問題を解決する可能性のある、OMOマーケティングという小売店DX手法について解説しました。

後編では、さらに具体的なOMOを活用した売上アップのコツと、企業の活用事例についてご紹介致します。

そちらもご一読いただき、OMOに対する理解をより一層深めてください。

>>【DX推進で生き残れ③】小売店のDXはOMOに注目すべし【後編】はこちら

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DXportal®編集部

DXportal®の企画・運営を担当。デジタルトランスフォーメーション(DX)について企業経営者・DX推進担当の方々が読みたくなるような記事を日々更新中です。掲載希望の方は遠慮なくお問い合わせください。掲載希望・その他お問い合わせも随時受付中。

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