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【解説】Amazon社CEO・ジェフ・ベゾスの退任から見る、今後のIT市場とDX

米国時間の2月3日夜、世界の市場を牽引するGAFAの一角・米アマゾン・ドット・コムが、初のトップ交代に踏み切るという情報が、世界を駆け巡りました。

米国の小さなオンライン書店から、一代で世界的なECサイト・Amazonを作り上げた創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が9月までに退任し、後任にその座を譲るという衝撃の事実。

1994年の創業以来、「善意は役に立たない。仕組みが解決する」というモットーで、長らく赤字経営を続けながらもDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、仕組みづくりに力を入れ続け、世界に名だたるトップ企業へとアマゾン社を引き上げたベゾス氏

近年の時代変遷、特にアフターコロナのリモートワーク増加による急成長は、今さら語るまでもないでしょう。

まさにアメリカン・ドリームの体現者として、その現実主義とカリスマ性によりここまでアマゾン社を率いてきましたが、同社の急速なる事業の拡大は、競合企業からは「アマゾン・エフェクト」と恐れられ、社会の反発を招くようにもなっていました。

AmazonのECサイトに出店する企業からは、データが流用されているとの懸念もささやかれ、米議会が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで、アマゾン社を調査対象としていた経緯もあります。

また、その経営方針は時に軍隊的とも呼ばれる規律性でも知られ、新型コロナ感染拡大の中でも、物流施設や小売店の稼働を続けたこともあり、従業員たちからの待遇改善・環境対策などの声が強まっていたのも事実です。

今回のCEO退任劇は、そんな競合企業や内部スタッフからの声を背景に、独占・寡占への懸念を強めた、反トラスト法の圧力に負けた形となります。

ベゾス氏の視線の矛先は常にユーザーファーストに向かい、その意味ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の向かう先としては間違っていません。

しかし、同時に考えなければいけないのは、社内スタッフや株主などのクライアント、そうしたステークホルダーたちとの対話であり、それを怠ったベゾス氏の経営方針の落ち度ともいえるかもしれません。

また、この発表のもう1つの注目ポイントとしては、ベゾス氏の後任を任されたのが、アマゾン社のクラウドコンピューティング事業であるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を立ち上げ、現在アマゾン社の利益のうち約6割を稼ぐまでに成長させたアンディー・ジャシー氏ということ。

ジャシー氏は「起業家」の顔を持つ反面、穏やかな性格で他者との対話を重んじるタイプで、社会との接点が増えるという意味では、脱ベゾス体制からの脱却を目指すには、もってこいの人選といえるかもしれません。

しかし、ジャシー氏の起用は単にその人柄の問題ではなく、クラウドコンピューティング事業のトップがアマゾン社全体のCEOに就任するという、その事実そのものに意味があるのではないでしょうか。

一般ユーザーには世界一のECサイトとして名をあげたアマゾン社が、AWSにより利益を回収。

AWSトップのジェシー氏がCEOに就任したということで、こうしたビジネスモデルが今後の世界的なトレンドとなることは、想像に難くありません。

クラウドサーバー等の需要や今後の社会情勢に、ますます目が離せない状況になったといえるでしょう。

とはいえ、かつての米マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏、米アップル社のスティーブ・ジョブズ氏という、同じGAFAに名を連ねる両氏がCEOを退陣した際、業績拡大に滞りが見られ、一時競争力がいちじるしく失われたのも周知の事実。

アマゾン社のCEO交代劇が、今後の世界情勢にどのような影響を与えるのか。これからも注目していきたいと思います。

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