【速報】2021年のIT導入補助金交付規定・公募要領(概要)が決定!

中小企業・小規模事業者等の生産性向上を目的として作られた、ITツール(ソフトウェア・サービス等)の導入にかかる経費の一部を補助する「IT導入補助金((一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)」。

昨年は新型コロナウィルスの影響もあり、予想をはるかに上回る申請数があったため、採択数が大きく下がったといわれるこの補助金ですが、2021年の交付規定と公募要領が決定しました。

事前の情報収集をしっかりと行いつつ、自社発展のためにIT導入支援事業者をうまく使って、この補助金を有効に活用してください。

IT導入補助金2021の概要

中小企業や小規模事業者が今後直面する制度の変更(働き方改革、被雇用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイスの導入)に対応するため、生産性の向上を目指してITツール(ソフトウェア、サービス)導入用経費の一部を補助する「IT導入補助金」。

本年度の実施は通常枠のA・B類型と、低感染リスク型ビジネス枠C・D類型の4種類の類型(詳細は後述)に分かれています。

補助上限額や補助率は、登録するITツールが持つ機能(業務プロセス)やその数により決定される仕組みです。

補助対象者

補助対象者は中小企業・小規模事業者(飲食、宿泊、卸・小売り、運輸、医療、介護、保育等のサービス業、製造業、建設業等)等に限定されており、その定義は次の通りです。

【中小企業等の定義一例】

  • 製造・建設・運輸業:資本金3億円以下、または従業員数300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下、または従業員数100人以下
  • 小売業:資本金5千万円以下、または従業員数50人以下
  • 社会福祉法人:従業員数300人以下
中小企業・小規模事業者の定義
引用:IT導入補助金2021(令和元年補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)公募要領【通常枠(A・B類型)】【低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)】も同様

登録ITツールとは

補助対象となる経費はIT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用に限られます。

また、補助事業者は登録されたIT導入支援事業者への相談を行い、自社の生産性向上に寄与する適切なITツールを選択・申請することと定められ、その分類は次の通りです。

  1. 補助事業者の労働生産性向上に資するソフトウェア
  2. 補助事業者の労働生産性向上に資するオプション
  3. 補助事業者の労働生産性向上に資する役務

このうち、事業所以外の遠隔地から業務を行うテレワーク環境の整備や、対人接触の機会を低減するような非対面、または遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルへの転換(業務形態の非対面化)を満たすものに関しては、低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)となります。

ITツール大分類
引用:IT導入補助金2021(令和元年補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)公募要領【通常枠(A・B類型)】【低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)】

【登録ITツールの例】

  • RPAツール
  • 勤怠管理システム
  • WEB会議システム
  • 情報共有システム
  • 在庫管理システム

など

業務プロセス

補助上限額や補助率は、登録・導入するITツールが持つ機能(業務プロセス)やその数によって決定されます。

業務プロセス表
引用:IT導入補助金2021(令和元年補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)公募要領【通常枠(A・B類型)】【低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)】

スケジュール

  • ITツールの登録申請:2021年3月25日(木)~終了時期は後日案内予定
  • 交付申請:4月上旬ごろ受付開始予定
  • 事業実施期間:交付決定後~6か月程度(詳細は別途定める)

上記は2021年2月26日交付現在の予定となっています。
申請前には詳細を今一度ご確認ください。

2021年度IT導入補助金の種類

今年度のIT導入補助金に関しては、「IT導入補助金2021 通常枠(A・B類型)」「IT導入補助金2021 低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)」に分かれています。

【A~D類型共通の主な申請要件】

  • 労働生産性計画数値は1年目3%以上、3年目9%以上で策定
  • 労働生産性計画数値、給与支払総額、事業所内最低賃金の報告は必須
  • 事前にgBizID*1とSECURITY ACTION宣言*2の取得が必要
  • 補助金受給後3年間にわたる労働生産性の効果報告(年1回)が必須
  • 1事業主あたり1年間に1度のみ交付(不採択の場合は再申請可能)

*1:経済産業省および中小企業庁が推奨する、複数の行政サービスを1つのアカウントにより利用することのできる認証システム。
https://gbiz-id.go.jp

*2:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、中小企業・小規模事業者等らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度。
https://www.ipa.go.jp/security/security-action/it-hojo.html

通常枠と低感染リスク型ビジネス枠の類型判別

通常枠と低感染リスク型ビジネス枠区分
引用:IT導入補助金2021(令和元年補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)公募要領【低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)】

上記の表のうち、いずれか1類型のみ申請が可能です。

また、自社の導入するシステムがどの類型に属するか不明な場合は、次の類型判別チャートも参考にしてください。

類型判別チャート
引用:IT導入補助金2021(令和元年補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)公募要領【通常枠(A・B類型)】【低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)】

通常枠(A・B類型)

生産性の向上に資するITツール導入のうち、補助額の上限が大きいB類型では申請の際必要な業務プロセス数の要件がA類型よりも多く、加えて下記の賃上げ要件を満たすことが義務付けられています。

【賃上げ要件】

  1. 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(被用者保険の適用拡大の対象となる企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
  2. 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする・上記内容を交付申請前に従業員に表明する

補助率・補助額

【A類型】

  • 業務プロセス1以上
  • 補助額:30~150万円未満
  • 補助率:1/2以内

【B類型】

  • 業務プロセス4以上
  • 補助額:150~450万円以下
  • 補助率:1/2以内

低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)

新型コロナの影響を受けて今年度より新設された特別枠で、C類型とD類型に分かれ、それぞれが次のように定められています。

【C類型】
複数のプロセス間で情報連携しプロセスの非対面化や業務の更なる効率化を可能とするITツール
*C-2類型はB類型と同様の「賃上げ要件」を満たす必要があります。

【D類型】
テレワーク環境の整備に資するクラウド環境に対応し、複数プロセスの非対面化を可能とするITツール

いずれの場合も通常枠よりも補助内容が優遇されており、ITツールの導入だけでなく、そのために必要なハードウェア(パソコンやスマートフォン、ディスプレイやプリンターなど)のレンタル費用も補助対象となるのが特徴です。

補助率・補助額

【C-1類型】

  • 業務プロセス2以上
  • 補助額:30~300万円未満
  • 補助率:2/3以内

【C-2類型】

  • 業務プロセス2以上
  • 補助額:300~450万円以下
  • 補助率:2/3以内

【D類型】

  • 業務プロセス2以上
  • 補助額:30~150万円以下
  • 補助率:2/3以内

IT導入支援事業者

IT導入支援事業者とは、補助事業者とともに事業を実施するパートナーとして、補助事業者に対するITツールの説明、導入、運用方法の相談等のサポート及び、補助金の交付申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのサポートを行う事業者。事務局及び外部審査委員会による審査の結果、採択されたものを指す。なお、IT導入支援事業者が提供し、かつ本事業において登録されたITツールのみが補助対象となる。

引用:IT導入補助金2021(令和元年補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)公募要領【通常枠(A・B類型)】【低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)】

このように、IT導入支援事業者とは事業主様がIT導入補助金を交付申請する際、頼りになるビジネスパートナーです。

ただし、現在「IT導入支援事業者登録」を受けていない事業者が、IT導入支援事業者を装って架空の補助金申請を斡旋するという事例が増えています

IT導入補助金2021の公式ホームページでも、このような悪質事業者への注意喚起が行われていますので、十分注意するようにしてください。

詳細・お問い合わせ先

サービス等生産性向上IT導入支援事業 コールセンター

ナビダイヤル
0570-66-424(通話料がかかります)

IP電話等からのお問い合わせ先
042-303-9749

受付時間/9:30~17:30(土・日・祝日を除く)

IT導入補助金2021公式ホームページはコチラ

このお知らせの執筆者

DXportal®運営チーム

DXportal®編集部

DXportal®の企画・運営を担当。デジタルトランスフォーメーション(DX)について企業経営者・DX推進担当の方々が読みたくなるような記事を日々更新中です。掲載希望の方は遠慮なくお問い合わせください。掲載希望・その他お問い合わせも随時受付中。

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