「私はデジタル担当大臣であってIT担当大臣ではありません。」
2021年3月に開催された「Sansan Evolution Week」で行われた対談において、真っ先にそう切り出したのは、台湾のデジタル担当政務委員を務めるオードリー・タン氏(以下:オードリー氏)です。
「IT」と「デジタル」。日本では混同して使われているこの2つの言葉ですが、そこには明確な違いがあります。
この記事では、オードリー氏の言葉を借りながら、「IT」と「デジタル」の違いについて解説しました。
DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)を正しく理解する上でも重要な2つの用語が使い分けられるよう、どうぞ最後までお付き合いください。
「IT」大臣ではなく「デジタル」大臣のオードリー・タン
オードリー・タン(Audtey Tang):台湾名は唐鳳(とうほう/タン・フォン)。
1981年4月18日生まれ。中華民国(台湾)の政治家でプログラマー。改名しており、旧名は唐 宗漢(とう そうかん、タン・ツォンハン、英: Autrijus Tang)。
2005年、Perl 6(現:Raku)のHaskellによる実装のPugsを開発したことで知られ、「台湾のコンピューター界における偉大な10人の中の1人」とも言われている。
2016年10月に台湾の蔡英文政権において35歳の若さで行政院に入閣し、無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)を務めている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オードリー氏の経歴を簡単に紹介するとこのようなものです。
日本ではよく「IT」担当大臣と紹介される事が多いオードリー氏ですが、彼女はそれに異を唱えます。
「ITというのは機械をつなげるもの、デジタルというのは人をつなげるもの、という大きな違いがあり、これが重要なポイントです。」
冒頭で紹介した「Sansan Evolution Week」でもこのように語っており、この考え方はDXを正しく理解する上でも重要です。