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中小企業のDX|カギは共創
中小企業の多くでは自社にDX推進を任せられる程の人材がおらず、結果的に外注に頼らざるを得ないというのが実情とはいえ、その体制を壊さない限り本当の意味でのDX推進は成功しません。
優秀な人材がいなければ外注に頼るのではなく、人材を外部から獲得するというのが正解です。
優秀なエンジニアをどう確保するか
優秀なDX人材が足らず、その確保が最重要事項というのは、総務省が調べた「DXを進める上での課題(情報通信白書2021年版/総務省)」の結果でも、「人材不足」が53.1%と他を引き離した1位回答だったことからも明らかです。
情報処理推進機構(IPA)の「IT人材白書」によると、日本のIT人材の7割超がIT企業に属しているといいます。
これは米国の35%と比べても極端に大きな数値で、非IT企業に属するIT企業に人材が圧倒的に少ないことの証左です。
こうしたIT人材獲得競争を勝ち抜くためには、今までにない柔軟な雇用制度改革も必要になってくるでしょう。
- 終身雇用に限らない限定的な業務契約
- 副業や兼業を奨励する制度
- 海外の優秀な人材をオンラインで週1日契約
等、これまでの雇用制度を改めて、全社員に新たな雇用制度を適用するなど、より柔軟に、より積極的に外部人材を登用する道を用意すべきです。
それと同時に現社員にも研修制度を設けてITスキルの習得を奨励するなど、人材確保と育成を同時に図る必要があり、それには社員のキャリアに責任を持つトップの覚悟を全社に対して発信することが求められます。
経産省「DXレポート2.1」が警鐘をならす低位安定関係
こうした内製化への施策を取ったとしても、すべてのDX人材を自社で抱えきることもができず、どうしても外注企業に頼らざるを得ない部分も出てくると思います。
この場合気をつけるべき点は、外注に任せる部分をすべて丸投げで任せっきりにしないことです。
経産省が「DXレポート2.1」の中で警鐘をならす、ユーザー企業とベンダー企業の「低位安定」の関係に陥ってしまっては、デジタル競争を勝ち抜いていくことはできません。
外注に任せるにしても、その部分に対して自社内でも理解の及ぶ範囲で、あくまで手の足りない部分だけをベンダー企業に発注する。
そしてまた、システムの開発にしてもベンダー企業と二人三脚での開発を行い、新しい価値は共に創り出す体制を構築していく。
つまり外注企業との「共創」こそがこれからのデジタル社会で、中小企業が取っていくべきDX戦略といえるのです。
自社でやること、外注に任せること
- 基本的には内製化の道を選び、人材の確保・育成に務める
- イニシアチブはユーザー企業側が取り、ベンダー任せの開発を選ばない
- どこまでは自社で行い、どこから外注に任せるのかを精査・判断する
こうした道筋を取ることが、DXを成功へ導く考え方です。
どうしても自社だけで判断できない所があれば、コンサルティング企業に相談をすることにより、適切なDXジャーニーマップを作成してもらい共にDXを成功へ導いていく。
外注企業との正しい付き合い方はこうあるべきで、主従の逆転したDX推進では、いっときは良くても後々全体像が自社内で見えなくなるなど、深刻な弊害へと繋がってしまうのです。
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まとめ
DXを成功に導くためには、外注に頼る開発ではなく内製化に移行することが必要だという観点に立ち、そのメリットや人材確保のヒントについて解説しました。
大手企業と比べて規模も小さく予算も限られた企業の場合は、すべてを内製化するというのは難しい選択性かもしれません。
しかし、最低限DX推進に対してイニシアチブを取れるだけのIT人材は自社で確保すべきです。
その上で適材適所で外注企業をうまく使うことが、市場ニーズに遅れを取らないDX推進のカギとなります。
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