DXportal - 【ゼロから分かる】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

【ゼロから分かる】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

【ゼロから分かる】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

企業のIT戦略が欠かせない世の中となり、日本でも海外から数年遅れながらも、ようやくDX(デジタルトランスフォーメーション)が普及してきました。

特に新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年以降はその流れは大きな潮流として、日本の産業界を飲み込もうとしています。

しかし、グローバル社会で戦う大企業ならばともかく、中小企業の経営者には、まだまだ他人事のように捉えている方もいるのではないでしょうか。

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、遠い国の夢物語ではありません。

人々の生活や働き方が大きく変わった現代においては、どんな企業でも大なり小なりDXを取り入れていかなければ、ユーザーやクライアントのニーズを満たし続けることはできないのです。

  • DXって最近よく聞くけど、そもそもどういうことなの?
  • DXを取り入れようと思っているけど、何から手を付けていいのか分からない
  • DXをはじめてみたけど、なかなかうまくいかない(成果が出ない)で悩んでいる

今回は、このようなお悩みをお持ちの中小企業の経営者、IT担当者に向けて【ゼロから分かるDX】と題して、DX(デジタルトランスフォーメーション)について初歩の初歩から解説いたします。

とはいえ、奥が深いDXという概念を、1つの記事で語り尽くすことはできません。

記事中にDXポータル内の他記事や、参考文献へのリンクも貼ってありますので、適宜それらもご参照の上読み進めてみてください。

IT技術を駆使して新しい価値を創出するDX

IT技術を駆使して新しい価値を創出するDX

DX(デジタルトランスフォーメーション)とはそもそも何なのかをひとことで言い表すことは難しいものの、その目的は明確です。

それは、IT技術を活用してビジネスに変革をもたらし、新しい価値を創出すること。

自らのビジネスの根幹を見直し、ITによる効率化、売上・利益の拡大のための仕組みづくりを行うことで、そこから変わり続けるユーザーニーズに対応する、新しいビジネスが生まれてくるのです。

DXの定義

DXの定義

スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授(当時)が、2004年に提唱したコンセプトが起源とされるDX(デジタルトランスフォーメーション)。

そのコンセプトは「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」というものです。

日本でも2018年12月に経産省が公表した「DX推進ガイドライン」によれば、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

DXのフェーズ

DXのフェーズ

IT技術を使って企業のビジネスモデルを変革していくためには、戦略的に計画・実践を繰り返す必要があります。

そのためには、まずはDX(デジタルトランスフォーメーション)の正しい進め方を理解しなければなりません。

DX推進のための3つのフェーズ。まずはそこから解説します。

デジタイゼーション

デジタイゼーション

請求書や納品書、日々の発注書などの紙で保存されたアナログデータや、従業員個人個人が自らのパソコンにため込んでいる営業資料など、バラバラに管理さている膨大なデータを、Web上のクラウドに保存します。

社内の人間であれば、誰もが、どこでも「クラウドにアクセスできる」状態とし、「デジタルデータを取得できる」状態とすること。

それが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の第1フェーズである、デジタイゼーションという段階です。

デジタライゼーション

デジタライゼーション

デジタイゼーションでデジタル化されたデータを、ビジネスのさまざまな段階で活用することができるようにするフェーズ。それがデジタライゼーションです。

旧来型のレガシーシステムを刷新し、社内スタッフやユーザーが扱いやすいシステムを開発。

クラウドに蓄えられた膨大なデータを、実際のビジネスへとアウトプットしていくこのフェーズでは、業務プロセス全体をデジタル化していくという段階となります。

デジタルトランスフォ―メ―ション

デジタルトランスフォーメーション

デジタイゼーションにおいてデータを蓄え、デジタライゼーションで業務自体を変革。

そこから新しい企業価値を生み出していくのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)のフェーズとなります。

この段階は業種・業態により、そして個々の企業により千差万別に異なり、最適解は1つではありません

そのため企業ごとの目標設定が大事となり、それが定まっていない企業が、お題目だけで「DX推進」を唱えることが、なかなかうまく歯車が回らないゆえんなのです。

DXが注目されるワケ

DXが注目されるワケ

これまではそれほど一般的に浸透していたとはいえない「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を、2021年の現在どうしてこれだけ目にするようになったのでしょう。

これは主に3つの理由からなります。

1.DXレポートに見る「2025年の崖」

日本でDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が注目し始めたのは、2018年9月に経済産業省が発表した、「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」に端を発しています。

このレポートでは、「このままでは日本企業は世界のデジタル競争の敗者になる」という危機感から警鐘が鳴らされており、それが「2025年の崖」問題です。

ITシステムの老朽化(レガシーシステム)や、場当たり的に開発されてきたシステムのブラックボックス化。

さらには、開発を担当した当初の社員が定年を迎える時期が、2025年前後に集中すると言われています。

これにより保守費用・運用費用が高額となり、システム刷新にまで適応できなくなるというのがレポートの主旨です。

そのため、日本という船の根幹をなす企業が、世界のデジタル社会で敗者とならないよう、政府主導でDX推進を啓蒙するということが背景にあります。

2.IT投資としてのDX

経済産業省は東京証券取引所と共同で、戦略的にIT投資を行う企業を対象に、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援するため、「攻めのIT経営銘柄」として選定。

DX銘柄」などを定め、株式市場で評価される企業を多数排出することで、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に積極的投資をする企業を後押ししています。

3.アフターコロナの働き方改革

DXレポート」に続き、経済産業省「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」から発表されたのが、「DXレポート2」です。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が色濃くなった、2020年12月に発表されたこのレポートでは、コロナ禍をふまえて浮き彫りになったDX(デジタルトランスフォーメーション)の本質と、企業・政府の取るべきアクションについて、中間報告書として取りまとめられています。

外出自粛規制による人々のライフスタイル変換により、デジタルサービスの浸透は一層加速度を増しました。

この世界的な現象に対応できた企業は良いですが、国内のほとんどの企業では対応ができておらず、アフターコロナの働き方改革の中では、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進は、もはや待ったなしの緊急事案だと警鐘を鳴らしています。

DXを読み解くデジタルトレンド

DXを読み解くデジタルトレンド

DX(デジタルトランスフォーメーション)というものを理解するために、抑えておきたいデジタルトレンドがあります。

ここで紹介する4つの事象を理解し、自社の開発システムがこれらに対応しているかを検証することが大切です。

自社のシステムやサービスをリリースした際、これらのデジタルトレンドを通して、「扱いにくい」と感じるようでは、そのDX(デジタルトランスフォーメーション)は失敗していると考えても良いでしょう。

クラウドサービス

クラウドサービス

ビジネス、プライベートを問わず誰もが利用しているPCやスマートフォンなど、どんなデバイスを利用していても、日々接することになるクラウドサービス。

旧来型のレガシーシステムでは、限られた職場内のPCからしかアクセスできないことがほとんどですが、これらは企業ごとに独自のカスタマイズがなされたシステムとなっていることも多く、改善が難しいというのがデメリットです。

これに対して、GoogleやMicrosoftが提供するクラウドサービスでシステムを構築すれば、保守運用にリソースを割く必要がありませんので、機能改善もすばやく、低コストでの運用が可能となっています。

モバイルファースト

モバイルファースト

スマートフォンやタブレットなど、持ち運ぶことのできるデバイス。

これらを総称してモバイルといいますが、現代の日本社会ではこれを無くして人々の生活を語ることはできません。

今やスマートフォンの普及率は、PCの普及率をはるかに超えることは、総務省の調査でも明らかになっています。

企業のWebサイトをスマホ対応することは、今やあたりまえであり、この傾向はユーザー向けサービスに限らず、企業のイントラネットにおいてもスタンダード化していかないと、これからの企業は生き残っていくことができません。

ビッグデータアナリティクス

ビッグデータアナリティクス

Amazonや楽天市場に代表されるECサイトで、何かの商品を買った場合に、似たような商品を紹介された経験のある方は多いでしょう。

これらはすべて、ビッグデータアナリティクス(ビッグデータ分析)をビジネスに活用した結果です。

アナログデータをデジタル化し、リアルタイムで取り込む大量のデータを分析に利用できるように管理できれば、それが新しいビジネスチャンスを生む素地となるのです。

ソーシャルネットワークサービス

ソーシャルネットワークサービス

TwitterやInstagram、FacebookなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)は、今やコミュニケーションツールとして人々の生活に根付いています。

それは個人対個人の問題だけでなく、企業のブランディングや商品開発にも欠かせないツールとなっているのです。

ビッグデータアナリティクスでSNS上の膨大なデータを活用すれば、ユーザーターゲットをしぼったピンポイントな訴求を行うこともできます。

DXが生み出す価値

DXが生み出す価値

では、実際にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を行っていけば、企業にとってどのような価値が生まれるのでしょう。

これは、俗にいわれる「攻めのDX」と「守りのDX」という言葉に集約されます。

「攻めのDX」の代表格が利益率や売上の拡大を行うことで、「守りのDX」の代表格がコスト削減です。

それぞれについて改めて考えてみます。

コスト削減

もっともわかりやすいDX(デジタルトランスフォーメーション)の価値。それは、「守りのDX」にあたるコスト削減という価値です。

DX推進プロジェクトにおいて、自社の業務プロセスの課題を抽出し、その1つひとつをIT技術によって改善します。

これにより人的資源・物的資源ともにロスを無くし、効率化により無駄な業務がスリム化されるでしょう。

コスト削減をDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の1つの目標とすることは、目に見えた成果が出やすいため、おすすめのDX開発手段です。

利益率・売上の拡大

ユーザーやクライアントの環境変化に合わせ、より良い自社のサービス・商品を届けることが、企業の究極的な到達点といえるでしょう。

そのためユーザーにとって使いよく、満足できるサービス・商品といった新しいビジネスモデルを開発することが、企業の利益率や売上を拡大することにつながります。

この利益率と売上の拡大をするための「攻めのDX」こそが、企業によって千差万別に変わるDXの難しさです。

しかし、これを形にしていくことこそがDXの最終的な目標であり、「コスト削減」と「利益率・売上の拡大」が既存ビジネスの生産性向上を生み、それが新しいビジネスの価値を創出することへとつながっていきます。

DX推進の障害

DX推進の障害

IT技術によって新しい価値を創出するDX(デジタルトランスフォーメーション)は、行き詰まった企業を再生する、夢のような取り組みに見えます。

しかし、「DXを取り入れている」とお題目のようにいってみても、実際に経営にうまく取り入れられている企業は、そう多くはありません

DX(デジタルトランスフォーメーション)という形の捉えにくいものを推進するためには、越えなければならないいくつものハードルが存在します。

経営陣・社内スタッフの理解

DX(デジタルトランスフォーメーション)がうまくいかない原因の1つに、経営者自身がボトルネックとなり、変革を阻んでいるというケースがあります。

社内外の意見を取り入れて、DX推進のプロジェクトを立ち上げてみても、担当のスタッフや外部ベンダーにすべてを任せ、経営者自身はその本質をあまりよく理解していないという企業は、意外なほど数多くあるのです。

これとは逆に、経営者だけがDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に積極的で、経営陣や社内スタッフはその必要性に気づいていないといったケースもあります。

DX推進をスムーズに行うためには、経営者から現場のスタッフまで、全社一丸となって「DXによって自分たちの会社を良くする」という意識を共有しておくことが肝要です。

レガシーシステムの誘惑

「自社で独自のシステムを開発する」というのは、一見すると他社に対して優位性を持つ施策のように思えます。

しかし一歩間違えると、それは旧来型のレガシーシステムの再現となるだけかもしれません。

外部ベンダーに委託した自社独自のカスタマイズでは、システムが汎用性を持つことはなく、再び複雑でブラックボックス化したレガシーシステムを再生産することになりかねないのです。

経理や労務管理といったどこの企業でも共通する業務は、SaaS(Software as a Service=Webからアクセスして利用できる外部サービスの総称)などを有効活用することが必要で、それらをモバイル環境から利用できる体制を整えることが、レガシーシステムの誘惑に負けない重要なポイントとなるでしょう。

部署間の連携不足

新規サービスの開発は開発部で、業務フローの改善は業務部で、といった部署ごとのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進では、絶対に成功の日の目を見ることはできないでしょう。

DX推進の成功には、部署間の連携が欠かせません。

DXプロジェクトにのみ関わるスタッフで構成された「DX推進部」を設立し、そこがイニシアチブをとって社内の全部署・全社員が協力体制を敷くことが、DXを成功へ導く必須条件です。

これを実現させるためには、経営者自身がDX(デジタルトランスフォーメーション)をしっかりと理解して、トップダウンでプロジェクト推進の舵を取ることが必要なのは、いうまでもありません。

まとめ~DXに取り組むのはいつ?

ここまで、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのかという大命題と、DX推進を理解する、いくつかのキーワードについて解説してまいりました。

経産省の「DXレポート」「DXレポート2」で警鐘が鳴らされているとおり、アフターコロナの現代では、企業のDX化は最優先課題といっても言い過ぎではありません。

では、DX(デジタルトランスフォーメーション)はいつから取り組むべきなのか?

その答えは「今すぐに」です。

グローバル社会を戦い抜く大企業だけでなく、個人経営の中小企業においても、それは変わりません。

むしろ、いまだDXに手を付けていない中小企業こそ、早急に取り組むべき課題なのです。

今こそDX(デジタルトランスフォーメーション)の本質をしっかりと捉えて、全社を挙げて新しい社会を生き抜く競争力を持った企業へと、大きく舵を切ってください。

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株式会社MU DXportal編集部。 DXportalの企画・運営を担当。企業経営者の方々が読みたくなるような記事を日々更新中です。掲載希望・その他お問い合わせも随時受付中。

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