【DX推進|成功の鍵になるIT経営】実現するための4つのステージとは?

【DX推進|成功の鍵になるIT経営】実現するための4つのステージとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション:以下DX)の推進に乗り出している企業では、デジタル化や業務課題の洗い出しに取り組まれていることと思います。

業務の効率化や、電子化による新しい社会への適応のファーストステップは、どの企業にとっても必要な段階です。

しかし、DXにおいて、意識されることが少ないのが、当たり前のように必要といわれている「IT経営」の本質です。

IT経営はDXの成功を左右する鍵であり、IT経営を実現できている企業と、そうでない企業では、自社の未来は変わってきます。

今回は、DX推進の成功の鍵になるIT経営に焦点を当てて、DXとの関連性や進め方について解説してまいります。

IT経営とは、デジタルと経営戦略の掛け合わせ

IT経営とは、デジタルと経営戦略の掛け合わせ

IT経営とは、経産省の言葉を借りると「ITを経営戦略的に使いこなし、競争力や生産性をあげて、経営力をアップすること」といわれています。

DXの先駆けとして、デジタル化に取り組む企業は多いと思いますが、自社がさらなる成果をあげるために、情報技術と経営戦略を組み合わせた経営手法が「IT経営」なのです。

また、経産省は、IT経営を促進するために、特に生産性の高い、DXを実施している企業を選定した、「攻めのIT経営中小企業百選」を実施しています。

さらに近年では、戦略的にIT投資を行う企業を対象に、企業のDX推進を支援するため、東京証券取引所との共同で「攻めのIT経営銘柄」も毎年選定されており、各企業においては、IT経営に力を入れることの重要性が求められています。

つまり、これからの社会で企業が生き残るためは、いかにデジタルと経営をうまく掛け合わせ、自社にしか提供できない価値を創出できるかが重要です。

IT経営推進の4ステージ

IT経営推進の4ステージ

IT経営を進めるうえで、大きな流れとなる4つのステージを紹介します。

自社がいる位置を確認しながら、今後経営戦略を練るうえでの、ロードマップの参考としてください。

  1. 現状の課題認識
  2. ITによる内部改革
  3. IT活用による経営力向上
  4. ひいては業界全体の経済発展に

1.  現状の課題認識

1.  現状の課題認識

IT経営の最初のステップは、自社の目指す姿を明確にして、現状とのギャップを埋めるために、何が必要かを探り出すところから始まります。

それはたとえば、業務の自動化であったり、営業力の強化であったり、企業によって課題はさまざまです。

そして、課題が明確になれば、そのためにどんなIT・デジタル技術を取り入れられるかを検討します。

【企業が取り入れるIT・デジタル技術の一例】

  • 業務の自動化であれば、RPA(Robotic Process Automation=人に変わり業務プロセスや作業を自動化する技術)
  • 営業力の強化であればSFA(Sales Force Automation=営業支援システム)
  • 販売戦略の改善であればBA(Bussiness Analytics=マーケティング分析ツール)

このように、自社の注力したい分野が明確になれば、取り入れるべきITツールが自ずと見えてくるはずです。

そこで明確になった案を経営戦略として、トップダウンで全社的に実施することが、IT経営の第一歩といえます。

2. ITによる内部改革

2. ITによる内部改革

次に行うのは、課題認識の際に浮き彫りになった、ギャップを埋めるための内部改革です。

必要とされるITツールを導入して、改善すべき業務の効率化や、問題の改善を図ります

そのときに、特定の部門のみ内部改革をするのではなく、最初は一部門だけであっても、ゆくゆくは、全社的にその輪を広めていくことが理想です。

たとえば、IT部門が特定の業務を自動化するのであれば、他の部門も同じようにツールを活用して、自動化を促進し、横展開できるように、あらかじめプロジェクトを設計しておきます。

また内部改革の際は、ITへの投資に対して、得られる成果を評価することも欠かせません。

投資をする前に、得たい成果をはっきりさせて、内部改革を始めたあとは、予想していたうちのどの程度の成果が出たのか、定期的にレビューを行ってください。

優先度が高いもの、リスクがあるもの、緊急性が高いものなどを包括的に整理することで、IT経営のPDCAをまわすためのペースが掴めるようになります。

3. ITの活用による経営力向上

3. ITの活用による経営力向上

ITによる内部改革をどれだけ正確に行えるかどうかで、その後の自社の経営力が向上できるか否かが変わってきます。

たとえば、自社の営業進捗管理システムにAI(Artificial Intelligence=人工知能)を取り入れれば、数あるサービスの中でもどの商品が人気が高いのか、クライアントの分類ごとに傾向を捉えて、即座にデータに集約することが可能です。

取り出したデータを、顧客の購買行動データとして体系的にまとめれば、経営戦略会議の際に役立ちます。

企業によって経営に活用するITはそれぞれですが、形はどうであれ肝心なのは、ITを導入したことで得られる成果を、経営の場に活かし、自社の今後の価値創出に役立てることです。

4. ひいては業界全体の経済発展に

4. ひいては業界全体の経済発展に

IT経営は、自社の改革をすることからスタートしますが、最終的には、クライアントや他社を巻き込んで、業界全体の経済を左右するものです。

たとえば、AIから編み出した購買データをもとに、潜在的なニーズを深堀し、サービスに付加価値を与えたとします。

そのサービスから新しい顧客を獲得できれば、他社も同じようなIT施策を導入し、企業同士の競争力を上げるきっかけとなり得ます。

このように、IT経営は、企業を横断して連鎖していくものであり、DXの推進に勢いをつける火種でもあるのです。

IT経営を進めることが、DXの実現と業界全体の発展につながり、自社の業績向上へと発展していきます。

まとめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させる鍵となるIT経営について、定義と具体的な4つのステージを解説してまいりました。

IT経営という言葉は、難しく聞こえるかもしれませんが、シンプルに今までの経営にITを取り入れた、新しい手法の一つです。

自社が持っている価値を、どうやったら最大限引き出せるのか、その手段にITを活用することが、IT経営の目的です。

この記事で紹介した内容は、ほんの一例であり、ITをどのように経営と組み合わせるかは、無数の選択肢があります。

自社の達成したい目標に照らし合わせて、経営力を高めるために、最適なIT・デジタル技術を選定して、戦略の立案に役立てていってください。

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この記事の執筆者

株式会社MU 代表取締役社長

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。 最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。 2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ

株式会社MU 代表取締役社長

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。 最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。 2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ

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