【DXの観点から読み解くClubhouse】新たな3つの価値とは

【DXの観点から読み解くClubhouse】新たな3つの価値とは

2021年1月末から国内で話題となっているClubhouse(クラブハウス)は、なぜ人気が爆発したのか、今後どのような展開を見せるのか。

Clubhouseが人気を博しているのには、招待制や画期的仕様など、さまざまな意見がありますが、その背景には新型コロナ禍で進んだDX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)が関係しています

今回の記事では、DXの観点から見たClubhouseの人気の理由と、生み出される価値について解説してまいります。

Clubhouseは、DXがトリガーとなって普及した新しいSNS

Clubhouseは、DXがトリガーとなって普及した新しいSNS

Clubhouseは、テレワークやオンライン飲み会に見られる、DXがトリガーとなって普及した新しいSNSといえます。

2021年の1月下旬に話題となり、一時はメルカリで招待権が売買されるほど皆がこぞって参加しようとするほどの人気ぶりでした。

Clubhouseが莫大な人気を得たのには、音声だけのSNSという真新しさや希少性の高さを感じさせる招待制などの理由があげられます。

ただ、DXの観点から見ると、新型コロナ禍で活用されていたコミュニケーションツールの問題を取り去ったことが、人気の大きな理由であると考えます。

そもそも、ニューノーマルで急速に広まった「コミュニケーションのオンライン化」は、DXを推進するために必要なデジタライゼーションの一環です。

しかし、これらに使われるリモートツールには少々問題があり、

  • 画面上でお互いの顔が見えない
  • 画面を使っているがゆえにタイムラグが発生する、音声が聞きづらい

といった、利用者のストレスとなる原因が複数存在しています。

オンライン会議にしろズーム飲みにしろ、スムーズにコミュニケーションが取れないことには、人々の不安は募るばかりです。

さらに、外出が規制されるの自粛生活の中「それでも人とつながりたい」という欲求が、急激な普及を後押ししたことは否めません。

人々が我慢を強いられる環境下で、制限を受けていた既存のコミュニケーションの方法に新しい風を巻き起こしたのが、音声だけのチャットが楽しめるClubhouseというわけです。

ClubhouseがDX時代に生み出す3つの価値

ClubhouseがDX時代に生み出す3つの価値

日本の著名人が利用を開始し、大人気となったClubhouseは、DX時代にどのような価値をもたらすのか、3つの項目にわけて解説いたします。

  • 新たに広がるコミュニケーションの幅
  • リアルタイムな情報の価値が高まる
  • 新たなビジネスが生まれる源になる

新たに広がるコミュニケーションの幅

新たに広がるコミュニケーションの幅

一つ目の価値は、テレビ番組のような台本にもとづいたやり取りではなく、Clubhouseを使うことによって新たなコミュニケーションの幅が広がることです。

Clubhouseには

  • オーディエンスが挙手してスピーカーになる
  • 司会がオーディエンスの中から、特定の人をスピーカーに指名する

といった機能があり、テレビやラジオ番組のように登場人物が固定されるわけではありません。

したがって、「今日はAさんとBさんがCというテーマについて話す」と予告されても、実際にはDさん、Eさんが追加され、場合によってはAさんは途中で抜ける、ということもあるわけです。

人が入れ替われば、話題は別の分野に移ったり、一つのテーマを別の観点から深堀したりするなど、新たな展開を見せるため、オーディエンスとしては、既存のメディアにはない新しいやり取りを楽しめます。

このようにClubhouseでは、入れ替わり立ち代わり登場人物が変わり、話題が発展していくことで、これまで固定化されていたコミュニケーションの幅が広がったことがわかります。

DXの一つである「デジタライゼーション」のツールとも取れるClubhouseが、革新的なコミュニケーションのあり方を生み出したといえるでしょう。

リアルタイムで取得する情報の価値が高まる

リアルタイムで取得する情報の価値が高まる

DXにおいては、蓄積された膨大なデータを有効活用することが大切といわれますが、Clubhouseが普及したことで、リアルタイムで取得できる情報の価値は高まりを見せています。

Clubhouseのトークルームで交わされた内容は、規定上録音することができず、後からさかのぼって聞くことはできません。

したがってClubhouseで著名人が対談をする内容は、タイムリーな話題や、先に知っておくほど有利である情報も多く、トークルームにいる人のみが、貴重な情報を享受することとなります。

デジタルツールが発展を遂げた現代社会においては、数々の情報が飛び交い、正しいものや重要性の高いものが埋もれてしまうこともあるはずです。

その中で、本当に価値が高い情報を見つけることは至難の業であり、今まさに知っておくべきことだけをピックアップするのは難しいと思います。

Clubhouseは、そうした「今の時代だからこそ知っておきたいホットな話題」を受け取れるような仕組みになっており、かつ著名人や芸能人の本音トークなども聞ける、貴重な情報収集の場でもあるのです。

新たなビジネスが生まれる源になる

新たなビジネスが生まれる源になる

DX時代におけるClubhouseは、セミナーや対談企画が発端となり、新たなビジネスが生まれる源になることが考えられます。

たとえば、2021年2月末に実施予定の「デジタルトランスフォーメーションEXPO」では、登壇者が後日Clubhouse上で対談を行うことが企画されています。

このようなセミナー形式で講演をしたり、対談したりすることでClubhouseのオーディエンスが自社のサービスに関心を持ち、新たなビジネスモデルが出来上がることもあるはずです。

オンラインのセミナーや講演会は、事前の参加者受付、カメラテストなど、さまざまな手間がかかりますが、Clubhouseは思い立ったらすぐに始められて、初期コストをほとんどかけずに自社をPRできます。

さらにトークルームを開いておけば、潜在的なクライアントが話を聞きにくることも期待でき、ビジネスチャンスは広まる一方です。

スピード感をもって時代の流れに乗るためには、Clubhouseのようなツールを活用してビジネスの変革を起こしていくことも必要といえます。

まとめ

新たに人気を博したSNSであるClubhouseについて、DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)の観点から、生み出される価値について解説いたしました。

Clubhouse流行の理由は、珍しい招待制や音声に特化したSNSとして注目を浴びましたが、背景にはデジタライゼーションにおける、コミュニケーションをするうえでの不満の解決につながったことがあげられます。

どんな形であれ、人々はコミュニケーションを求めるもので、規制を受けざるを得ない新型コロナ禍で、新たなサービス開発を進め、やり取りをしたいというニーズを満たしたのがまさにClubhouseです。

そしてSNSの中でも最高度の知名度を誇るTwitterで、公式アカウントを運用している企業が多いように、Clubhouseもうまく活用することで、新たなビジネスチャンスにつながる可能性があります。

DX時代におけるClubhouseの価値を活かした新たなクライアントの獲得も検討に値すると思います。

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この記事の執筆者

株式会社MU チーフエンジニア / ディレクター

中野 太賀

エンジニアセクションのトップとして、株式会社MUにジョイン。 サーバーサイドエンジニア出身の安定感を生かした、リソースマネジメント、プログラム実装を行う。趣味はサウナと美味しいものを食べること。

株式会社MU チーフエンジニア / ディレクター

中野 太賀

エンジニアセクションのトップとして、株式会社MUにジョイン。 サーバーサイドエンジニア出身の安定感を生かした、リソースマネジメント、プログラム実装を行う。趣味はサウナと美味しいものを食べること。

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