【金融DXの未来】暗号資産じゃない!?今話題の「DeFi」とは何なのか?

【金融DXの未来】暗号資産じゃない⁉今話題の「DeFi」とは何なのか?

DeFiを代表するアプリケーション

DeFiを代表するアプリケーション

既にDeFiを利用して、スマートコントラクトを活用した金融サービスを提供するアプリケーションが、数多く存在しています。

ここでは、次の代表的なアプリケーションを3つピックアップしました。

  • 分散取引所(DEX)
  • レンディングプラットフォーム
  • ステーブルコイン

それぞれについて、詳しく解説します。

分散型取引所(DEX)

分散型取引所(DEX)

DeFiを利用した代表的なアプリケーションが、DEX(Decentralized Exchange:ディセントラライズド ・エクスチェンジ/以下:DEX)です。

DEXは日本語に訳すと、「分散型取引所」であり、中央管理体を通さずユーザー同士を繋げて、暗号資産による金融取引を行うアプリケーションを指しています。

ブロックチェーンのマーケットにおいても特定の企業が取引所の運営をしていますが、DEXでは、スマートコントラクトにより流動性資産の供給から取引の約定に至るまでのプロセスが、全て個人間で完結します。

個人間で取引が完結するため、手続きに掛かる手間と時間が削減され迅速な取引を行えるのが特徴です。

レンディングプラットフォーム

レンディングプラットフォーム

Defiの技術を活かせば金融機関で行われているレンディング(貸付)を暗号資産で行うことが出来ます。

暗号資産をレンディングすることで、利息収入を得られるアプリケーションがレンディングプラットフォームです。

スマートコントラクトにより、仲介者が不在でも融資手続きにおける貸出・借入・返却をユーザー同士で直接取引出来るため、これまで利息に上乗せされていた手数料が掛かりません

レンディングプラットフォームの代表例は、「Compound(コンパウンド)」や「Arve(アーヴ)」です。

例えば「Compound」では、貸し手は資金をDeFiの『貸し手専用の場所』にプールして(資金の流動性を担保して)おくだけです。

このプールされた資金を、借り手が引き出すことで取引が自動的に成立します。

資金を借りる場合は借入資金の150%分、他の仮想通貨を担保として預け入れなければいけないため、許容を超えた借り入れができない仕組みになっており、最低限の安全性は確保されていると言えるでしょう。

ただし、レンディングを業務として実行する場合、日本では貸金業法等の整備が追い付いていない為、トラブルが発生した場合の対処法等にも現状ではリスクが存在していることは注意が必要です。

ステーブルコイン

ステーブルコイン

ステーブルコインとは、価格変動が大きい暗号資産を安定させ実用性を高めるために設計された暗号資産です。

DeFiで行われる貸し借り・資金移動において、保有している資産を担保にステーブルコインが利用されています。

ステーブルコインの種類は大きく分けて以下4つです。

  1. 法定通貨担保型
  2. 暗号資産担保型
  3. コモディティ型
  4. 無担保型

いずれも暗号資産の価格を安定させるため、法定通貨や商品などの価格と連動させたり、経済原理に従ったアルゴリズムによって調整が行われたりと、あらかじめ決められたルールに沿って価格が決定されています。

ステーブルコインが普及すれば、ビジネス上の取引でも暗号資産を扱いやすくなり、実用性が増すでしょう。

DeFiによるビジネスの変化

DeFiによるビジネスの変化

DeFiの普及は、金融市場だけでなくビジネスの世界を大きく変化させる可能性を秘めています。

透明性と安全性が高いブロックチェーン技術により、今まで様々な制約によって金融取引が行えなかった潜在的なユーザーも、金融市場へ参加出来るようになります

市場への参加者が増えれば、関連する商品や保険などのサービスも活発になり、市場におけるビジネスチャンスも広がるでしょう。

また、既存の金融機関においても、DeFiの普及はこれまでの金融市場を脅かすだけのものではありません。

既存システムとDeFiをミックスさせて応用していけば、新たな価値を顧客に提供出来る可能性を秘めています。

例えば、既存の金融機関も、スマートコントラクトを活用した手続きの自動化によって業務効率が上がり、無駄なオペレーションコストを削減できるかもしれません。

現に一部の銀行では、すでにDeFiへの取り組みが始まっています。

一例を挙げると、米銀最大手のJPモルガン・チェースは、既に米ドルと連動する「JPM Coin」の実用化をスタートしており、既存の決済基盤や銀行システムの障害を排除した、24時間365日いつでも瞬時にお金を動かせるサービスの提供を開始しました。

JPM Coinを保有していれば、わざわざ世界各国に口座と資金を持たずとも、一つのJPM Coin口座で資金管理ができるため、グローバル企業にとっては管理コストを削減し、効率的な資金運用を行うことが可能になります。

今後このような事例は、他の金融機関においても広がっていき、実験的な施策も含めて、数多くの取り組みが行われるでしょう。

まとめ

ブロックチェーン技術により構築された、新たな金融システムDeFiについて解説しました。

DeFiは既存の金融システムのDXを実現し、オープンで自由な金融取引を可能にするものです。

現時点においては、技術やガバナンスの整備は必ずしも十分ではなく、ビジネスでの実用化にはまだ時間がかかるでしょう。

しかし、業種にかかわらず全てのビジネスに共通して重要なことは、目覚ましいテクノロジーの発展をフォローしていき、新たな価値の創造とビジネスの機会を探り続けることです。

DeFiに実際に触れて技術や仕組みに対する理解を深め、今後、自社のビジネスにどのような利活用が可能かを検討してみてください。

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DXportal®編集部

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