【化粧品業界のDX事例】対面販売方式の改革とデータ活用の可能性【ブランド戦略】

【化粧品業界のDX事例】対面販売方式の改革とデータ活用の可能性【ブランド戦略】

化粧品業界を変えるDX事例

大前提として、対面販売のみに囚われていてはDXを推進することはできません。残念ながら多くの化粧品メーカーや販売店がこの壁を越えられていないのが現状です。

しかし、中には業界の在り方を変える可能性のある革新的な取り組みを行っている企業もあります。

ここでは、2社の具体的な事例を取り上げます。事例をもとに、化粧品業界を変える可能性のあるDX推進について考えてみましょう。

事例①対面販売を変える「KATE(ケイト)」バーチャルメイク事例

事例①「KATE(ケイト)」|バーチャルメイク事例
出典:パーフェクト株式会社公式ホームページ

価格が比較的安価でありながら、「黒」を前面に押し出した高級感あふれるスタイルを牽引し、学生から大人まで人気を集めている化粧品ブランド「KATE(ケイト)」

同ブランドの公式LINEで提供されるコンテンツ「KATE MAKEUP LAB.」では、AI技術を活用して顔の黄金三角比率や5眼比率といった各部のパーツ比率測定を行うことが可能です。

顧客は、パーツ比率測定の結果に応じて自分に合ったメイクを提案してくれる「KATE SCAN」を体験することもできます。

つまり、対面販売が制限された現在においても、顧客は自分にあった新しいKATEの商品を見つけることができるのです。

この新サービスが大きな反響を呼び、「KATE MAKEUP LAB.」はリリース最初の週でバーチャルトライ回数が200万回を超えるなど、非常に大きな反響を呼びました。 

本事例のような取り組みは非対面販売を乗り越える対策であるばかりでなく、顧客が好きな時に化粧品を試し、購入することができるユーザーフレンドリーな利便性の向上にもつながります。

単なるコロナ禍の対症療法的・一時的な施策ではなく、その後においても顧客にとって有益なサービスとなるため、長期的な視点に立っても効果的な取り組みとして評価できるのです。

事例②顧客データを一元化する「花王」顧客情報連携DX事例

事例②「花王」|顧客情報連携DX事例
出典:花王グループ公式ホームページ

化粧品だけでなく、生活に密着した日用品まで幅広く取り扱う老舗メーカー「花王」

同社は、プレステージ領域と呼ばれるいわゆる「最高級ライン」の化粧品について、オンライン/オフラインに関わらず購入した顧客の情報を一元管理することを目的に、公式LINEにてブランドのアカウントを開設しました。

アカウント上で発行される会員証は、販売店でもオンラインでも共通して利用することができます。

これにより個人情報はもちろんのこと購買履歴情報も一元管理することができ、それぞれの顧客の嗜好に合わせてパーソナライズされた情報を提供することが可能となりました。

LINEという顧客にとって身近なSNSツールを利用しつつ会員情報を管理し、顧客の好みに合わせた情報提供を行うことは、顧客、メーカー、販売店の3者にメリットがあります。

3者が繋がることで顧客にとっては自分の好みの商品を探すことが容易になり、販売側にとっても新たなビジネス創出のチャンスにもなります。

まとめ

今回は、化粧品業界が直面する課題とDX導入事例について解説致しました。

従来のような対面販売にこだわったままでは、コロナ禍において売上を向上させて販売利益を確保することは困難です。

また、顧客情報が一元管理されていない状態は、そのデータを分析し業務効率化などに有効活用する以前の問題といえます。

顧客情報の管理体制問題は企業側にとってだけでなく、顧客にとっても不便を生み出しています。

同じメーカーの商品を購入する際に店舗が異なるだけで毎回情報を伝えないといけないような状況では、顧客の体験は決して良いものにはならないでしょう。

こうした問題を解決するためには、販売店の売上に影響を与えないような形式でECサイトを構築・運用しながら、顧客情報を一元管理することが求められます。

またAI等のIT技術を活用し、顧客が好きな時に化粧品を試すことができるようにバーチャルメイク等のコンテンツ提供を行なうことも非常に効果的な施策でしょう。

顧客情報などのデータ管理とIT技術の活用を行なうことは、DX推進の大切な第一歩です。

本記事であげた課題や企業事例を参考に、DX推進によって強さと柔軟さを兼ね備えたブランド構築を実現してください。

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DXportal®編集部

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