DX成功の鍵はクラウドサービス活用!中小企業が知るべき3つの類型と導入の進め方【2025年最新版】

公開日 : 

share :

企業の生産性を高め、新たな事業機会を創出するDX(デジタルトランスフォーメーション)。多くの経営者がその重要性を認識しながらも、「何から手をつけるべきか」「多額の投資が必要なのではないか」といった課題に直面し、具体的な行動に移せないのが実情ではないでしょうか。こうした課題を解決し、DXを成功へと導く鍵となるのが、クラウドサービスの戦略的な活用です。

本記事では、IT人材や予算に限りがある中小企業にとって、なぜクラウドサービスがDX推進に不可欠なのかを解説します。また、数あるクラウドサービスの中から、特に重要となる「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つの類型に焦点を当て、それぞれの特徴や適切な活用方法を詳しくご紹介します。

この記事を読むことで、貴社のビジネス戦略に合致したクラウドサービスの選び方や、導入に向けた具体的なステップを明確に把握できるでしょう。

DX推進におけるクラウドサービスの重要性

多くの企業がDXを志向する現代において、クラウドサービスの利用はもはや当たり前となっています。しかし、なぜクラウドサービスがこれほどまでに普及し、DX推進に不可欠と言われるのでしょうか。それは、中小企業が抱える特有の課題を、クラウドサービスが効果的に解決できるからです。

DX推進を阻む中小企業の課題

多くの企業がDXに踏み出せない要因は、大きく以下の3点に集約されます。

初期投資の負担が大きい

自社でサーバーやソフトウェアを構築するオンプレミス方式は、多額の初期費用と導入期間を要します。IT専任の担当者がいない企業にとって、ハードウェアの選定からシステム構築までを自社で行うのは現実的ではありません。

オンプレミス型サービスとは?

オンプレミス(on-premises)とは英語で「建物・店舗・施設」を意味し、IT用語として用いられる場合は、サーバーやハードウェア、さらに業務用のアプリケーションをはじめとするソフトウェアの総てを、使用者の管理下にある施設内に設置・運用する形式を指しています。

専門人材の不足

新たなデジタル技術を導入するには、専門的な知識を持った人材が不可欠です。しかし、多くの企業はIT担当者が不足しており、システム構築や運用保守を外部に頼らざるを得ない状況です。

事業環境の変化への対応が困難

市場や顧客ニーズは常に変化します。それに応じてシステムの機能や規模を迅速に変更する必要がある場合、オンプレミス環境では柔軟な対応が難しいという課題があります。

なぜクラウドサービスが課題を解決するのか

これらの課題に対し、クラウドサービスは以下のメリットを提供することで、DXの強力な後押しとなります。

初期投資の大幅削減とコストの最適化

オンプレミス環境のように、高額なサーバーやソフトウェアを自社で購入する必要がありません。クラウドサービスは、利用した分だけ費用を支払う従量課金制が主流であり、初期費用を抑えたスモールスタートが可能です。

運用負担の軽減とリソースの効率化

サーバーの保守管理やソフトウェアのバージョンアップは、すべてクラウド事業者が行います。これにより、自社のIT担当者は本来の業務に注力でき、人手不足を補うことができます。

柔軟な拡張性と迅速な対応

必要なときに必要な分だけCPUやメモリ、ストレージ容量を追加できます。事業規模の拡大や急な需要増にも柔軟に対応できるため、迅速な意思決定とビジネスの成長を支援します。

クラウドサービスのデメリットと対策

クラウドサービスのデメリットと対策

クラウドサービスは多くのメリットをもたらしますが、注意すべきデメリットも存在します。導入前にそれらを把握し、適切な対策を講じることがDX成功の鍵となります。

クラウドサービスに依存するリスク

提供事業者の都合によるサービス停止や仕様変更のリスクはゼロではありません。サービスが停止すれば、業務が滞る可能性があります。このリスクを軽減するためには、信頼性の高い大手事業者のサービスを選定し、利用規約を事前に十分に確認しておくことが重要です。また、重要なデータは定期的にバックアップを取るなど、自衛策を講じることも欠かせません。

オンライン環境が必須となる制約

クラウドサービスはインターネットを通じて利用するため、通信環境が不安定な場所ではサービスを利用できません。また、インターネットを経由する以上、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクは常に存在します。強固なセキュリティ対策が施されたサービスを選ぶとともに、二段階認証の設定や従業員へのセキュリティ教育を徹底することで、リスクを最小限に抑えられます。

カスタマイズの自由度が低い

オンプレミス方式のように、自社の独自の要件に合わせて完全にカスタマイズすることは困難です。クラウドサービスはあらかじめパッケージ化されているため、特定の業務フローに完全に合致しない場合があります。導入前に、自社の業務プロセスを詳細に分析し、どの程度サービスに合わせられるか、あるいは業務プロセスを見直すべきかを検討する必要があります。

山田 元樹

執筆者

株式会社MU 代表取締役社長

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。
最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。
2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ