「デジタル技術とデータを活用し、既存のモノやコトを変革させ、新たな価値創出で人々の生活をより良くする」DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)。一見するとビジネスや社会そのものを根底から変えるような変革を求められているように感じるかもしれません。しかし、実際はなにも最初から大掛かりな取り組みをする必要はありません。
特に、様々なリソースが限られる小規模事業者にとっては有効なDXとは、まずは目の前にある小さな目標から取り組んでいくスモールステップ方式である場合も多くあります。
例えば、既存の業務をデジタルに置き換えて自動化し、効率化を図るのはDXを進めていく上での重要なステップの1つとなります。
中でも、多くのリソースを取られる顧客対応を大幅に効率化するデジタルツール「チャットボット」の導入は、中小企業のDXにおける最初のステップとして最適です。
そこでこの記事では、チャットボットによる顧客対応の効率化について解説した上で、株式会社MUの「ちゃちゃっとボット」をはじめとする11種類の小規模事業者に最適なチャットボットをご紹介します。どうぞご参考にしてください。
目次
顧客対応を効率化するチャットボット
チャットボットとは、人に代わって問い合わせ対応や案内を行ってくれるデジタルツールです。様々な活用方法がありますが、主に次の3パターンに分類できます。
- 顧客対応(カスタマーサポート)
- 社内ヘルプデスク
- マーケティング支援
中でも小規模事業者が導入しやすく、効果を実感しやすいのが顧客対応の効率化です。
世の中のデジタル化が進み人々のライフスタイルが大きく変わる中、顧客のニーズも多様化しており、それに対応する企業のサービス提供方法も変化を余儀なくされてきました。
その中でも顧客対応も、どのような生活スタイルの人からの問い合わせにも対応できるような、より柔軟かつ迅速な顧客対応が求められているのです。
こうした変化の中、チャットボットの導入は時代の流れに即した顧客対応を可能とするデジタルツールとして期待されています。
WEBサイトやアプリ上にチャットボットを設置することで、24時間365日、休まずに顧客からの問い合わせに対応することが可能になるためです。
これは、人員を増やすことなく効率的な顧客対応を行えるため、リソースの限られた小規模事業者にとっては特に大きなメリットになるでしょう。
例えば、繁忙期や深夜、休日など、人手が不足しがちな時間帯でも、顧客からの問い合わせに迅速に対応することができれば、顧客満足度の向上やリピート率の増加にも繋がります。
さらに、チャットボットに寄せられた顧客からの問い合わせ内容や頻度などのデータを収集・分析することができるため、マーケティング活動やサービス改善の参考としても活用することができます。
小規模事業者にとってチャットボットの導入は、顧客対応の質と効率を同時に向上させるための最適な手段となるのです。
シナリオ型とAI型2つのチャットボット
チャットボットにより顧客対応が効率化できれば、小規模事業者の限られたリソースを有効活用できることは間違いありません。
では、自社にとってもっとも効果をもたらすチャットボットは、どのように選べばよいのでしょうか。
価格や機能など、チャットボットを選択する基準は様々ですが、まずはチャットボットには「シナリオ型」と「AI型」という2つの仕組みがあるということを理解しておく必要があります。
この2つの仕組みにはそれぞれメリット・デメリットがあり、それを理解しない限り最適なチャットボットを選び出すことはできないでしょう。
まずは、この2つの違いについて解説します。
シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットとは、顧客から寄せられる質問を想定して「回答集」を用意し、それに行きつくまでの「シナリオ」をチャットボットに入力しておくシステムを指します。
顧客は、チャットボットが示すいくつかの選択肢の中から自分が知りたい内容に関連するものを選んでいく「フローチャート形式」で会話が進行するのが一般的な仕組みです。
メリット
- 低コストで導入可能:あらかじめ設定されたシナリオに基づいて動作シンプルな仕組みであるため、特別なシステムを構築する必要がなく、導入の初期コストが低く抑えられる
- 簡単な設定:特別な技術や知識を必要とせず、簡単な設定で導入・運用ができる
- 一貫した対応:事前に設定したシナリオに従って対応するため、顧客に対して一貫した対応が常に行える
デメリット
- 柔軟性の欠如:設定されたシナリオ以外の質問には対応できない
- 更新の手間:企業のサービスや製品に何らかの変更が生じた場合など、シナリオの更新が必要となるケースがある
AI型チャットボット
AI型チャットボットとは、AIの持つ膨大な演算能力を利用したチャットボットの総称です。
大量の蓄積データを解析して「統計的に最も適切と考えられる回答」をAIが自動で回答することで、顧客の疑問を解決していきます。
顧客は基本的に文章でAIに質問を投げかけますが、現在の高度なAI技術を用いれば、文意が曖昧な質問に対してもある程度は対応可能です。また、微妙な言葉遣いの違いを捉えて回答できるAIも存在します。
メリット
- 高い柔軟性:機械学習を活用しているため、様々な質問に対応できる
- 自動学習:ユーザーとの対話を通じて、AIが常に学習・進化していく
- 複雑な質問への対応:専門的な質問や複雑な問い合わせにも対応ができる
デメリット
- 高い初期コスト:AI技術の導入や設定には、比較的高い初期投資が必要となる
- 専門的な知識が必要:AIの運用や最適化のために、専門的な知識やスキルが求められる
- 実用までのタイムラグ(時間的コスト):導入前にある程度のデータを学習させる時間が必要になる。一定量のデータが蓄積するまでは回答の精度が安定しない場合もある
小規模事業者におすすめはシナリオ型チャットボット
ChatGPTに代表されるテキストAI生成ツールが発表されて以降、企業規模にかかわらず、AIツールの利用が一気に身近になってきました。
もともと近年はAI型チャットボットが人気を集めており、その流れをChatGPTが後押しした結果、多くの企業が導入し始めている現状があります。
しかし、先に解説したようにAI型チャットボットの導入には様々なハードルがあることも事実です。
ITツールやAIに関する高度な知識がなければそもそも導入は難しく、仮にチャットボットを提供するベンダーによる導入サポートがあったとしてもこの壁を超えることは容易ではありません。
AI型のチャットボットを適切に運用するためには、ある程度のAI知識とスキルを持つ人材が社内にいることが必要であることは間違いありません。
知識やスキルが不足した状態で、AIチャットボットを導入してしまうと、顧客に誤った情報を伝えてしまうという最悪の結果を招く可能性もあります。
また、AIチャットボットの導入・運用費用は比較的高額であり、小規模事業者にとっては大きな負担となってしまいます。
導入や運用のコストを様々な面から検討した上で、「顧客対応の効率化」に特化して、小規模事業者におすすめなチャットボットを考えると、AI型ではなくシナリオ型と結論づけることができるでしょう。
AI型チャットボットのほうが柔軟な回答は可能ですし、より複雑なデータ分析ができる場合も多く、積極的なマーケティング戦略に応用するのには有利ですが、シナリオ型チャットボットはできることが限られている分、コスト面と導入・運用に関して多くのリソースを必要しないという強みがあります。
その点から、リソースが限られている小規模事業者とマッチしており、おすすめのチャットボットだといえるのです。
小規模事業者におすすめチャットボット11選
ここからは、小規模事業者が顧客対応の効率化を目指して導入するケースを想定して、おすすめのチャットボットツールを11種類ご紹介します。
前述の通り、基本的にはシナリオ型がおすすめですが、小規模事業者でも比較的導入しやすいAI型のツールもご紹介しますので、先に解説したメリット・デメリットと合わせて自社のビジネスに最適なチャットボットを選択してください。
ちゃちゃっとボット
小規模事業者にとっておすすめのチャットボットは、やはりシナリオ型。中でも、当サイトが最も小規模事業者へのベストアンサーだと考えるのは、株式会社MUが開発した「ちゃちゃっとボット」です。
ちゃちゃっとボットをおすすめするポイントは、次の3つです。
- 気軽:シンプルな機能に絞ることで特別な知識も必要なく、気軽に使える
- 簡単:WordPressなど作られたホームページを持ってさえいれば、準備や設定などほとんど必要なく簡単に美しいデザインのチャットが完成する
- 便利:お客さまの問い合わせを自動化することで、電話やメール対応の時間が大幅に省け、24時間365日働くスタッフとして仕事を強力にサポートする
さらに、導入・運用にかかる費用は、月々3,980円(税込)だけで、お申し込みから30日間は無料。しかも、1つのアカウントでホームページや宣伝ページなど、最大3つまでのサイトに組み込むことができます。
初期費用 | なし |
月額 | 3,980円(税込) |
設置ドメイン数 | 3 |
タイプ | シナリオ型 |
サポート | 30日間無料期間あり(期間中設置・運用サポートあり)問い合わせフォーム |
Chat plus+
多数の業界向けシナリオテンプレートを搭載するチャットボットであり、カスタマイズすることで独自のチャットボットを誰でも簡単に設定・運用が可能です。
1サイトのみ設置できる月額1,500円のミニマムプランから、AIを活用した高機能プランまで豊富に揃っています。
初期費用 | なし |
月額 | 1,650円(税込、年額プランの場合)~ |
設置ドメイン数 | 1~ |
タイプ | シナリオ型 |
サポート | チャットによるフォロー |
GENIEE CHAT
会話形式でフォーム入力をサポートする機能を備えており、ユーザーのコンバージョン率向上を後押しします。
このチャット1つでFAQボット、有人チャットなど、WEB上の顧客対応に必要な複数のチャットを一元管理することができます。
初期費用 | なし |
月額 | 50,000円(税込)~ |
設置ドメイン数 | 3~ |
タイプ | シナリオ型 |
サポート | 無料相談、セミナー/イベントあり |
hachidori
プログラミングやコーディングの作業を一切必要とせず、簡単な使い方を覚えるだけで誰でもチャットボットを実装できます。
シナリオ同士の接続も可視化されるので、細かなアクションの設定も自由に行え、LINEとの連携が行えるなど、汎用性も魅力です。
初期費用 | 要問合せ |
月額 | 要問合せ |
設置ドメイン数 | 2~ |
タイプ | シナリオ型 |
サポート | シナリオや戦略の設計から分析まで伴走サポートあり セミナー/イベントあり |
hitobo
メールやチャットの履歴をコピペするだけで、Q&Aの文章を作成不要でChatGPT連携のAIが自動生成します。
ダッシュボードを使って、問い合わせ内容や件数、解決・未解決数などの数値が可視化され、分析が簡単です。
初期費用 | 50,000円(税込) |
月額 | 60,000円(税込、最低利用期間6ヶ月)~ |
設置ドメイン数 | 2 |
タイプ | AI型 |
サポート | 電話サポート、メールサポートあり |
Zeals
公式LINEとの連携で動かすチャットボットですが、シナリオの設計からボット構築まで、導入に関わるすべての工程を依頼できるので、希望を伝えるだけでプロのコミュニケーションデザインがベストの問い合わせ対応を実現してくれます。
「会話を通じて商品を買ってもらう」ことに特化しており、高い成約率を実現してくれる高機能チャットボットです。
初期費用 | なし |
月額 | 要問合せ(完全成果報酬制:CV数×単価)、公式LINEの利用料金が別途必要 |
設置ドメイン数 | 制限なし |
タイプ | AI型 |
サポート | AIチャットボットの制作費用や運用コストはすべて不要で、成果が上がるまで完全フォロー |
sAI Chat
高性能なAIと手厚い運用サポートがセットになったAIチャットボットです。
登録するFAQの類似表現をあらかじめ学習させるため、導入時から95%以上の精度を誇っています。
専任のカスタマーサクセスチームが、利用率向上施策、FAQの改善提案、KPI管理などを一貫支援してくれるのも魅力です。
初期費用 | 要問合せ |
月額 | 要問合せ |
設置ドメイン数 | 要問合せ |
タイプ | AI型 |
サポート | 専用のカスタマーサクセスチームが一貫支援 |
KARAKURI
カスタマーサポート特化型のAIチャットボットとして、高い正答率をコミットし、業務効率化と顧客満足度向上の両方を実現します。
チャットボット構築時に登録したFAQデータを使って、最短1時間程度でサイトを構築することができます。
2023年5月より、ブラウザの言語に合わせてチャット内容を自動翻訳する多言語翻訳オプションもリリースされています。
初期費用 | 要問合せ |
月額 | 要問合せ |
設置ドメイン数 | 要問合せ |
タイプ | AI型 |
サポート | 導入前・後などステップに合わせた無料サポートあり |
AI Messenger Chatbot
AIによる一問一答型とシナリオ型を組み合わせて構築できる、顧客対応に特化したチャットボットで、WEBページや公式LINE、有人チャットなど複数のチャネルに対応しています。
企業側では問い合わせデータの共有とタグの設置のみ行うことで、問い合わせデータを詳細に分析してFAQデータや問い合わせシナリオを作成してくれます。
初期費用 | 500,000円(税込)~ |
月額 | 150,000円(税込)~ |
設置ドメイン数 | 要問合せ |
タイプ | AI/シナリオ併用型 |
サポート | 初期分析と運用コンサルによるサポートあり |
LogicalMind TALK
導入が簡単で、Q&AデータをExcelにコピーするだけで運用を開始できます。
AIが学習して回答を推論するAI型のため、シナリオの作成は不要です。
独自の類似文書検索エンジンにより、ドキュメントマニュアルの類似文書検索にも活用可能なため、FAQだけでは必要な情報をすぐに見つけられない場合でも、より最適な回答候補を導き出すことが可能です。
初期費用 | 要問合せ |
月額 | 要問合せ |
設置ドメイン数 | 1~ |
タイプ | AI型 |
サポート | 要問合せ |
COTOHA Chat & FAQ
独自の意味検索エンジンで質問の意図を汲み取り高い精度で回答する、高機能・高精度なNTTコミュニケーションズ株式会社が提供するチャットボットです。
必要に応じてテキストチャットと有人オペレーターを切り替える「オペレーターチャット」や、13言語をリアルタイム翻訳して海外ユーザーへの対応を可能とする「マルチリンガル機能」など、豊富なオプションメニューもそろっています。
初期費用 | なし |
月額 | 55,000円(税込)~ |
設置ドメイン数 | 要問合せ |
タイプ | AI型 |
サポート | 無料アドバイス/サポートあり管理画面操作説明会あり最大1ヶ月無料お試し期間あり |
まとめ~小規模事業者こそチャットボットで顧客対応を効率化
小規模事業者の顧客対応を効率化する、DXのファーストステップともなるチャットボットについて解説するとともに、特におすすめな「ちゃちゃっとボット」をはじめとする11のチャットボットを紹介しました。
チャットボットの導入により、人手や時間といったリソースが限られた小規模事業者でも、24時間365日の効率的な顧客対応が可能となります。
特に「ちゃちゃっとボット」のようなシナリオ型チャットボットは、手軽に導入できるため、小規模事業者には最適です。
顧客対応の質を向上させるため、そして問い合わせ対応を自動化して業務効率化を実現するために、貴社もぜひチャットボットの導入を検討してみてください。