DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)は、大企業のみならず、中小企業にとっても欠かせない取り組みとなっています。
DX推進施策の一環として、顧客対応の効率化やコスト削減を図る目的で、チャットボットの導入を検討する企業が増えているようです。
特に、OpenAI社のChatGPT3.5ローンチ以降、AIを活用したチャットボットが大きな注目を集めており、今まさに導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
しかし、AI型チャットボットは高性能で便利な側面はあるものの、その特性を理解して導入をしないと、大きな落とし穴に陥ってしまう可能性すらあります。
そこでこの記事では、AIチャットボット導入時の注意点を解説し、特に小規模事業者におすすめのチャットボットをご紹介してまいります。
目次
AI型チャットボットとシナリオ型チャットボット
チャットボットは、ユーザーからの質問に自動で回答するシステムの総称ですが、その回答形式はAI型とシナリオ型の2つに分けられます。
チャットボットを効果的に活用するためには、それぞれの特徴を理解して導入・運用を行うことが重要です。
この点を理解せずに導入してしまうと、業務の効率化を実現するどころか、かえって余計な手間や費用がかかってしまったり、企業のブランディング的にマイナスとなってしまったりすることすら考えられるでしょう。
そこでまずは、それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。
チャットボットの形式の違いに関しては、次の記事に詳しく紹介しておりますのでご関心のある方は併せてご参照ください。
AI型
AI型チャットボットは、AI(人工知能)を利用したチャットボット方式で、別名「自動学習機能型」と言います。
AI型は、チャットボット上でユーザーからの質問に対してAIが機械学習を用いて回答を生成し、統計的に最も正解に近い回答を選び出すシステムです。
AIは常に学習を繰り返すため、このシステムの使用頻度が上がれば上がるほど、正確で柔軟な対応が可能になるというメリットがあります。
その一方で、正答率を上げるためには、AIに機械学習させるために膨大な量のデータをインプットしなければなりません。
そのため、実際に活用できる段階に行くまでには、それなりの労力と工数がかかってしまうというデメリットがあります。
シナリオ型
シナリオ型チャットボットは、事前に設定されたシナリオに従って会話を進める形式のチャットボットです。
別名ルールベース型とも呼ばれており、提示した選択肢の中から、最も質問に近い項目をユーザーに選んでもらう中で、ユーザーの求める回答を提示するやり方です。
つまり、チャットボットはあらかじめ決められたシナリオに従って適切な回答を返す役割を担っています。
ユーザーが質問したい内容を想定した上で、その疑問に対して適切な回答をあらかじめ用意することができるため、想定済みの質問に対してはわかりやすい答えを提示できる反面、決められた質問以外へは対応できないなど柔軟性に欠ける点が最も大きなデメリットです。
AI型チャットボット導入時の注意点
このように両者はそれぞれ異なる特徴を持ち、メリットとデメリットがあるわけですが、近年は多様化するユーザーニーズに対して、臨機応変に応えることのできるAIチャットボットの導入を検討する企業が多くなってきています。
特に、最近話題のChatGPTなどに代表される、まるで人間かのように自然に会話ができる自動テキスト生成システムが急速な進歩を遂げたことにより、この傾向はさらに強まっていると言ってよいでしょう。
確かに、AI型チャットボットは、性能が高くユーザーニーズに的確に答えられるため、企業のDX推進施策としても非常に注目されています。
適切に活用することができれば、大きな成果をもたらしてくれる可能性を秘めたツールだと言えるでしょう。
しかし、その一方でAI型チャットボットの導入時には、コストやデータセキュリティ、カスタマイズなど検討するべき様々な点があります。
そこで本章では、AI型チャットボットを導入する際の具体的な注意点について、代表的なものをピックアップして解説いたします。
学習までに時間がかかる
すでに述べた通り、AI型チャットボットが高い水準でユーザーの質問に的確に回答するためには、学習のための膨大なデータが必要です。
このデータは、チャットボットの運用を続ける中で蓄積していくこともできるとはいえ、当然ながら導入前の段階においてもそれ相応の学習期間を設けなければなりません。
つまり、機械学習の環境を整える作業は人が行う必要があるため、全てを機械任せ、導入すればすぐに使えるシステムというわけではないのです。
定期メンテナンスが必須
データを用意して、学習をさせた上で運用を開始したAI型チャットボットの場合でも、後は完全に機械任せで大丈夫というわけではありません。
質問に対する回答の精度を常に高く保ち続けていくためには、継続的な学習とメンテナンスが求められます。
もし機械学習する素材に問題があれば、それを学習したAIも問題を抱えてしまうでしょう。
そのため、定期的にデータの適切性を確認し、また定期的にモデルの精度を向上させなければならないのです。
もちろん、シナリオ型チャットボットの場合においても、ローンチまでの準備やその後のメンテナンスは必要ですが、AI型の場合は導入までに必要な学習時間やメンテナンスなど、導入・運用においてより多くのリソースを必要とする傾向があります。
高度なチャットボットほど導入が難しい
前述のデータの話とも関連して、高度なAI型チャットボットを導入する場合は、かなりのデジタルリテラシーが必要となります。
AIやITに関する高度なスキルとリテラシーを持っていなければ、チャットボット自体を有効活用できないどころか、導入することすら難しいというのが現実でしょう。
高度なシステムを使いこなすスキルが無いのであれば、顧客対応を効率化する前に、システムに振り回されてしまうことにもなりかねないのです。
もし社内に十分な知識やスキルを持った担当者がいない場合は、デジタルリテラシーを向上させる研修や勉強会を開催することが、導入成功のカギとなるでしょう。
もしくは、適切な協業企業へ依頼するなどの対策を取らない限り、自社だけでは導入も運用もままならない可能性すら考えられます。
導入コストと運用コスト
AI型チャットボットは、その性能が高ければ高いほど、導入コストや運用コストが高くなるケースが少なくありません。
特に、独自開発やカスタマイズが必要な場合は、その費用は莫大なものとなるでしょう。
例えば、話題のChatGPTを自社のチャットボットやWEBサイトに組み込む場合でも、API(Application Programming Interface:外部アプリなどと連携できる接点)を利用する際は、トークン(単語)単位で料金が計算されます。
確かにChatGPTは従来のシステムと比べれば格安に利用できますが、英語では1単語=1トークンのところ、ひらがなだと1文字1トークン以上、漢字だと1文字2~3トークンが消費されてしまうため、日本語での利用はそもそも費用がかかりやすくなってしまうのです。
さらに、回答に質問内容を含んで返答する場合などは、その文字数も全てトークンとしてカウントされますので、運用方法によっては費用が想定外に高額となってしまうこともあるでしょう。
当然、チャットボットが利用されればされるほど費用はかさむため、運用コストの費用対効果までを考えて導入を決定することが重要なのです。
顧客との関係が作りにくい
チャットボットは、人間に代わって自動で顧客の質問や問い合わせに対応してくれるシステムです。
上手く運用できれば、顧客対応を効率化して、そこにかけていた人的リソースを別の業務に振り分けることができるようになります。
しかし、チャットボットがどれだけ人間と同じようなやり取りを顧客と行えるようになったとしても、AIは人間と同じような感情や共感力を持っているわけではありません。
そのため、顧客との深い関係を構築することが難しいと考えられます。
シナリオ型の場合は自動で回答することに限界があるため、シナリオ型チャットボットで疑問が解決しなかった場合はオペレーターにつなぐ仕組みにするなど、必要に応じてスタッフが介入する余地が残されています。
しかし、機械学習のおかげで、人の手を介さなくとも複雑な回答が可能なAI型チャットボットの場合、特にその傾向が強まると考えられるのです。
今後もさらにAIが進化していけば、効率化が進められる一方で、顧客と従業員が問い合わせを通じて関係性を築く余白はさらに減ってしまうでしょう。
限定的・偏った知識と誤答の可能性
AI型チャットボットは、膨大な学習データに基づいて回答を生成するため、非常に正確で柔軟性に富んだ回答を返すことができます。
しかし、入力されたデータに偏りなどの不備がある場合や、そもそもデータ自体が誤っている場合には、チャットボットが限定的であったり、偏ったりしている知識しか持たずに育ってしまう可能性があるのです。
その場合は、顧客の質問に適切に回答できないどころか、誤った情報を伝えてしまう可能性もあるでしょう。
ChatGPT3.5の正確性が話題なっているように、AIは万能ではないということも理解した運用を行うべきです。
すべての対応を自動化することはできない
非常に高度で複雑な質問にも対応し、正確性の高い回答を返してくれるAI型チャットボットですが、それでもすべての顧客対応を自動化できるわけではありません。
チャットボットは、あくまでも顧客対応などを効率化するための支援ツールであり、すべての対応を自動化することを目的としたシステムではないのです。
ケースバイケースで適切な人間の介入が必要な場面があることを想定し、AIと人間のサポート体制の境界線も考慮した上で、運用体制を整えておく必要があります。
小規模事業者におすすめのチャットボットとは
AI型チャットボットは、高性能であり大きな可能性を秘めたツールですが、その分導入の際に必要な費用とリソースは膨大になります。
加えて、導入と運用にはそれ相応のデジタルリテラシーが求められるため、優秀なスタッフ、もしくは専門的な知見を有する外部企業の協力がなければ、まともに機能させることすら難しいのも事実です。
費用とリソースが限られた小規模事業者が導入するチャットボットとして最適なのは、次のような条件を兼ね備えたチャットボットでしょう。
- 機能がシンプルであること
- 導入コストが安いこと
- 特別な知識がなくても利用できること
これらを加味して考えると、小規模事業者に最適なチャットボットは、少なくとも現時点においてはAI型ではなく、「シナリオ型チャットボット」だと言えます。
本記事でも紹介した通り、AI型と異なり柔軟性に欠ける部分はあるものの、そのデメリットを理解した上で導入・運用すれば、大きな成果を発揮してくれるでしょう。
最初から「問い合わせ対応の自動化」などの大きな目標を掲げるのではなく、身近なところから少しずつ顧客対応を効率化するのであれば、シンプルな機能に特化し、安価に導入できるシナリオ型チャットボットで十分です。
もちろん、シナリオ型チャットボットを導入するには、あらかじめ想定される問答集をシナリオとして設定しておかなければなりません。
このシナリオの作成こそが、このタイプのチャットボットの導入の肝になる部分です。
この点は非常に重要ではあるものの、実はチャットボットのシナリオ作りには、特別なITなどの知識は必要ありません。
むしろ、これまでのビジネスで培った顧客対応の経験が重要になってきます。
ユーザーはどのような点に疑問を持ち、何を知りたいのか?を理解していれば、多くの顧客にとって有益なシナリオを作成することができるでしょう。
その顧客対応の経験に基づくシナリオ作りは、いくらIT等に関する専門的な知見があっても、外部のベンダーなどが肩代わりできる性質のものではなく、むしろ自社サービス・商品を利用してくれる顧客と一番向き合ってきた、貴社しか持っていない経験が必要となる部分です。
まずは、これまで蓄積した顧客対応のノウハウを最大限に活用し、シンプルな機能に特化したシナリオ型チャットボットを利用することが、小規模事業者が顧客対応をDXする最初の一歩となるはずです。
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- 人手が足りず、お客様の対応が後手に回ってしまう
- 仕事が忙しくて電話やメールの対応に割く時間がない
- チャットボットを利用してみたいが、予算や知識がほとんどない
少人数で頑張る小規模事業者様ほど、こういった悩みを抱えているのではないでしょうか。
そんな人手と時間、そして資金といったリソースが限られている小規模事業者向けに、株式会社MUはお客様対応の自動化を『ちゃちゃっとボット®』で強力にサポートします。
そもそもチャットボットとは、電話やメールなどのお客様対応のうち、いわゆる「よくある質問」など「人が行う必要のない対応」をチャットによって自動回答する仕組みです。これにより、企業にとっては顧客対応にかかる手間と時間を大幅に削減でき、顧客にとっても24時間タイムリーにサポートを受けることが可能になる有用なデジタルツールです。
ただし、チャットボットとひとくちにいっても、その仕様は多岐にわたっています。
最近人気のテキスト生成AIなどを利用したAIチャットボットは、確かに高機能ですが、その分導入にはたくさんの事前準備や専門知識、多額の費用が必要であるのが難点です。どれだけ高性能であっても、専門家がいないと使いこなせず、導入ためのコストも多額であるツールは、企業の規模や人的リソースによっては、「使い勝手が悪い」ツールであるといえそうです。
そこで、株式会社MUが開発した『ちゃちゃっとボット®』は、あえてシンプルな「シナリオ型チャットボット」とすることで、この課題を克服し、小規模事業者様であっても使いやすいチャットボットを実現しました。
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シナリオ型チャットボットとして、シンプル機能にしぼることで特別な知識やスキルがいらず、月々3,980円(税込)で気軽に利用できます。
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ホームページだけあれば、難しい準備や設定をすることなく、よくある質問と回答を決めて打ちこむだけで、簡単に美しいデザインのチャットが完成します。
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料金
月額3,980円(税込)
※初期費用、追加料金は一切必要ありません
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※一部、大手ショッピングモールサイトなどではご利用いただけない場合がございます。導入に関するご不明点は、何でもお気軽にお問い合わせください。
推奨環境
Mac(macOS最新バージョン)
WindowsPC(Windows10以降)
対応ブラウザ
Google ChromeおよびMicrosoft Edge最新バージョン