企業が業務の効率化や売上の向上を目指して、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることは、今や時代の必然です。
とはいえ、DXに取り組み一定の成果を収めるためには、それなりの予算が必要です。それらを全て自己資金で賄うことは、多くの企業にとって現実的ではありません。
そんな時に役立つのが、国や自治体が運用する補助金や助成金の存在です。
企業が対象となる国の補助金と助成金は、どちらも企業活動を支える公的資金ですが、その目的は異なっています。
補助金は、主に経済産業省や地方自治体などが提供する財政支援で、生産性向上、起業、IT化、多角化などを目指す企業に対して税金を活用して支援をする仕組みです。
中小企業にとっても重要な仕組みですが、補助金は対象となる企業の数に上限が設けられている場合が多く、採択されないと受け取ることができません。そのため、審査の難易度は高い傾向があります。
一方、助成金は主に厚生労働省が管理しており、雇用や労働条件の改善に重点を置いています。
企業が助成金を受け取るためには、特定の基準を満たしていることが必要条件ですが、その条件をクリアしてさえいれば原則的には受給できるため、間口の広い制度です。
とは言え、その申請には複雑な手続きがあり、種類によっては初心者には手に負えない場合も少なくありません。その場合には専門家の手を借りた代理申請を行うことになるでしょうが、助成金の場合には社会保険労務士の資格を持つ専門家にしか代理申請ができないという注意点があります。
今回は、特に雇用や労働条件の改善を目的とした助成金に焦点を当て、企業が受け取れる助成金をDX推進にも応用できる項目も含めて紹介します。
目次
DX時代のビジネス強化に向けた主な助成金
1.キャリアアップ助成金
正社員化コース
非正規雇用者の正社員登用を目的とし、企業内でのキャリアアップを図る。正社員登用促進の取り組みに対して、最大120万円の助成金が支給されます。
賃金規定等改定コース
有期雇用労働者等の処遇改善を通じたキャリアアップを目的とした制度で、有期雇用労働者等の賃金規定等を3%以上増額改定し、昇給させた事業主に対して最大670万円が支給されます。
2.人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
労働者の職業生活設計に役立つ職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇用する労働者へのリスキリングなどを支援する際の費用の一部等を助成する制度です。
3.特定求職者雇用開発助成金
ハローワーク等の紹介により、継続雇用労働者として雇い入れる事業主を助成する制度で、最大60万円が支給されます。
4.働き方改革推進支援助成金
設備投資をして生産性を向上させ、労働時間の削減や年次有給休暇の促進等に向けた環境整備に取り組む企業を支援するための助成金で、最大730万円の支援が受けられます。
5.業務改善助成金
機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練といった、生産性向上に資する設備投資等の費用の一部を助成する制度で、最大600万円が助成されます。
6.両立支援等助成金
育児や介護などの理由で、業務遂行が難しくなった従業員の働き方を助けるために企業が負担する費用の一部を助成する制度です。両立支援等助成金には、次の4つのコースがあります。
- 育児休業等支援コース
- 出生時両立支援コース
- 育休中等業務代替支援コース
- 介護離職防止支援コース
7.65歳超雇用促進助成金
生涯現役社会の実現に向けて、65歳以上への定年引き上げや高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢者の雇用促進を目的とした制度で、最大160万円が助成されます。
DXの推進と助成金
国を挙げてDX化を進めている中では、「IT導入補助金」をはじめ、DX推進に直接使える補助金がいくつか整備されています。こうした助成金の存在は、DXを進めようと調べていると目につきやすく、比較的認知度が高いものです。
一方で、今回紹介したような助成金は、DXにも活用できるにもかかわらず、その存在自体を知らない企業経営者も少なくないでしょう。また、知っていても複雑な手続きを前に諦めてしまっている場合もあるのではないでしょうか。
多額の予算がかかるDX推進は、こうした資金を戦略的に配分することも大きな課題となります。
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本記事で紹介した助成金に関する詳細情報を含め、さらに詳しくお知りになりたい方は下記の記事をご確認ください。